研究課題
水疱性類天疱瘡は,全身に表皮下水疱が多発する高齢者に後発する皮膚疾患である。本症では、抗基底膜に対する自己抗体が存在するため、自己免疫性水疱症と理解されている。本症の自己抗体が認識する自己抗原は,180kDaと230kDa類天疱瘡抗原(BP180とBP230)である.申請者は,20年以上にわたり類天疱瘡の研究を継続してきた.まず,その自己抗原の解析を行った.BP230 の主な研究では,全アミノ酸配列を決定,発現調節領域の解析, BP180 の主な研究では、遺伝子構造の解析である.このように自己抗原の解析は進んだが,自己抗体の病原性についての証明はなかなか進まなかった.つまり,患者の自己抗体が動物のBP抗原を認識しないため,自己抗体を動物に移入しても病変が形成されなかった.申請者のグループはBP180の遺伝子改変マウスを駆使し,マウスのBP180のヒト化に成功し,BP180を認識する自己抗体が病変を起こすことを初めて証明した.さて,水疱性類天疱瘡においてBP180への自己抗体が病変を形成していることが明らかになったが,BP230に対する自己抗体に関しては,病態と関連を示す明確な実験はない.BP230への自己抗体の病原性,またBP230の表皮真皮結合能や新規機能の詳細を,解明するのが本研究の主な目的である.そのために,コンディショナルノックアウトマウスを用い,1)BP230に対する自己抗体を有するモデル動物の作製,2)BP230のノックアウト状態の長期観察,3)表皮に限局する皮膚欠損の作製,を行う。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 4件)
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