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2015 年度 実績報告書

病院併設型中性子捕捉療法を用いた難治性癌克服の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26293272
研究機関筑波大学

研究代表者

福光 延吉  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40277075)

研究分担者 粟飯原 輝人  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30268619)
沼尻 晴子 (橋井晴子)  筑波大学, 附属病院, 病院講師 (00712845)
大西 かよ子  筑波大学, 医学医療系, 講師 (60529832)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードBNCT / 膵臓癌 / 乳癌 / アポトーシス / PET
研究実績の概要

生物実験では、膵臓癌細胞についての照射に伴うアポトーシス関連物質の発現について検証した。膵臓癌細胞は、発光イメージングにも応用できるよう、luc2がすでに導入されているBxPC3-luc2を用いた。マウスに腫瘍を移植し、約1週間の観察機関で腫瘍径約1cmの時点で照射を行った。照射線量は0, 2, 4, 6, 8, 10Gyと段階的に変化させた。照射後約2週間フォローして発光輝度の変化を測定した。発光輝度は照射群では非照射群より低い傾向を示したが、照射線量との相関性は明らかではなかった。アポトーシス関連物質はBaxが照射群と非照射群よりも発現が亢進していたが、明らかな線量との相関性は見られなかった。またcaspase 3、PARPについては明らかな発現の亢進が認められなかった。PETでは、89Zrを用いたPET薬剤の使用についての院内の倫理委員会に申請し、承認を得、骨転移を有する前立腺癌患者10例に対して臨床研究を開始した。PET検査では、89ZrにPSMAの抗体フラグメントを標識させた製剤を静注後、4, 24, 48, 120時間後に全身像を撮像した。検査に伴う有害事象は認められなかった。視覚的評価では病変の描出は良好であった。全身臓器に関心領域を設定し、各臓器での各時間でのSUVを求めた。全身及び各臓器の被ばく線量の計算については現在検討中である。来年度も引き続き臨床研究は継続の予定であり、全症例終了後に算出する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

生物実験では,想定していた東海村の中性子発生装置の開発が平成27年度中に完成しなかった。東海村の開発が遅れた場合に期待していた京大原子炉は使用停止が長期化した。したがって、使用する細胞のアポトーシス関連物質の発現実験の細かな条件設定についてX線を使って確認したにとどめた。
PETについては、前立腺癌患者に対して89Zrを用いたPET薬剤の臨床研究を1年早く開始できた。

今後の研究の推進方策

当初は膵臓癌、乳癌、前立腺癌について研究する予定であったが、膵臓癌、乳癌の2つに絞って研究を行う。27年度の研究の一部を28年度に繰り越したので、中性子発生装置の完成後、細胞実験を行い、次いで動物実験に順次移行する。
PETについては、ひきつづき臨床研究を進める。
ホームページの開設については現在検討中であり、中性子発生装置の完成と臨床応用に合わせて準備を進める。

次年度使用額が生じた理由

生物実験では,想定していた東海村の中性子発生装置の開発が平成27年度中に完成しなかった。東海村の開発が遅れた場合に期待していた京大原子炉は使用停止が長期化した。また東海村に準備していた実験室で、細胞計測装置など不足している機器があることが研究の遅延を招いた。

次年度使用額の使用計画

東海村の中性子発生装置の開発がすすめられており、その完成を持って本格的な実験に着手する。また、京大原子炉の使用認可が下りたことが先日のニュースで報道されており、必要に応じて共同利用を申し込む。実験市で不足していた機器については、28年度の物品に計上する。

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公開日: 2017-01-06  

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