研究課題/領域番号 |
26293274
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野 正博 京都大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (80336180)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 脳アミロイドアンギオパチー / イメージング / 金属錯体 / 診断 |
研究実績の概要 |
昨年度までに、2価99mTc-ヒドロキサムアミド(Ham)錯体である99mTc-BT2の脳アミロイドアンギオパチー(CAA)イメージングプローブとしての有用性を報告してきた。しかし、99mTc-BT2は異性体を有し、さらにその生体内での低い安定性が示唆された。一方、HamをN-メチル化することにより、高い安定性を有する単一の99mTc錯体が得られることが報告されている。今年度、99mTc-BT2をN-メチル化した99mTc-MBT2を作製し、そのCAAイメージングプローブとしての基礎的評価を行った。その結果、99mTc-MBT2は、単一錯体として生成することを確認した。99mTc-MBT2は99mTc-BT2に比べ、血漿中安定性は向上したが、Aβ凝集体に対する結合性は低下した。これらの結果より、99mTc-Ham錯体の錯形成部位が血漿中安定性ならびにAβ凝集体に対する結合性に関与している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、昨年度までに、2価99mTc-Ham錯体である99mTc-BT2の開発、さらには、99mTc-BT2の問題点であった異性体の生成、生体内での不安定性を改善した、99mTc-MBT2の開発も行い、これらプローブのCAAイメージングプローブとしての有効性を見出してきたことから、おおむね順調に進行していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までに、Ham2価錯体を基盤とした99mTc標識プローブの開発を行い、インビトロでのβアミロイド凝集体への高い結合性と低い脳移行性を確認した。今年度は、これらプローブを用いて、CAAモデルマウスにおけるインビボイメージングに取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
高額な遺伝子改変マウスを用いた検討を行う予定であったが、その実験回数を軽減することができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
99mTcに加えて、他の金属ラジオアイソトープを使用する予定であることから、その購入費用およびリガンドの作製費用に充てる予定である。
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