研究課題/領域番号 |
26293275
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 実 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (00319724)
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研究分担者 |
石 禎浩 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (00525834)
桑村 充 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (20244668)
中村 浩之 東京工業大学, その他部局等, 教授 (30274434)
田中 浩基 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (70391274)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ホウ素中性子捕捉療法 / BNCT |
研究実績の概要 |
本研究の目的であるホウ素中性子捕捉療法(Boron neturon capture therapy, 以下BNCT)による正常組織反応を解析するために、必須な中性子照射実験は、平成28年度も平成27年度に引き続き、京都大学原子炉実験所・研究炉の再起動がなかったため実施できなかった。 そのため、平成28年度は、平成27年度に引き続き正常組織における解析可能な照射効果の発現時期と発現を引き起こす最小線量(閾値線量)についての研究を実施した。陽子線を照射した肺に関しては、犠牲死させたあと摘出したマクロの標本で照射部位の色調の変化等での解析可能の可能性が明らかになった。肝臓に関しては、肺と同様に陽子線照射を実施後のMRI画像、犠牲死後の病理組織学的検査でも、解析可能な照射効果は確認できなかった。 肝臓に関しては、大線量、4-6ヶ月後の解析で正常組織への影響が確認できなかったことから、照射影響が修復あるいは消失している可能性を考えた。そこで、10Gyの比較的低線量で、肝細胞の脂肪変性が後の線維化につながる最近の研究報告をもとに、研究を組み直す予定で、X線撮影装置等を整備した。 直腸、消化管に関しては、研究炉の再起動の時期が不明であるため、1年間の延長期間で、研究計画であげた正常臓器全ての正常組織影響を明らかにすることは困難と考えた。平成30年度の実験を肺、肝臓の正常組織影響にしぼるため解析可能な照射効果に関する実験は実施しなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
京都大学原子炉実験所・研究炉が原子力規制委員会による試験研究用原子炉の新規制基準に適合していることの確認(適合確認)への対応のため平成28年度再起動ができず、予定していた中性子照射実験が一切できなかったため、研究の遂行が遅れていると判断した
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今後の研究の推進方策 |
中性子照射実験を実施するための研究炉が停止していたという理由で認可された研究機関の延長期間が1年間であることから、肺と肝臓の2つの臓器にしぼって、中性子照射実験を実施する。 肺に関しては、照射4-6ヶ月後の摘出標本での照射部の色調の変化が確認されており、CTの画像変化と併せて、BNCTの正常組織影響を解析する。また、肝臓に関しては、10Gyまでの線量で、1-3ヶ月の比較的短期間で、正常肝組織に関する影響を解析できる研究方法について確認し、平成30年度の下半期に研究を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に引き続き、中性子照射実験に必要な研究用原子炉が休止中であったため、予定された実験の実施ができなかった。そのため、実験動物、照射影響の解析に必要な消耗品等の購入を見合わせた。また、学会発表が可能なデータも得られなかったため、旅費の使用も少なかった
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、1年間の延長期間で実施かのうな研究にしぼり、マウス、ラットの実験動物の購入、照射効果の解析に必要な消耗品、研究成果の学会発表の旅費に使用する。
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