研究課題
1.急性期脳梗塞患者でのデータ収集2017年3月までに27人の急性期脳梗塞患者のAPTを撮像した。全患者平均の梗塞領域でのAPT信号は-0.48±1.30%、健常部位では+0.26±0.49%、その差は-0.74±1.12%で、梗塞領域では健常部位に比べ有意にAPT信号が減少していた(P=0.0007、paired t test)。視覚的な評価では、拡散強調画像で高信号を示す脳梗塞の領域では8/27人(37%)において非常に明瞭なAPT信号の低下が認められ、5/27人(19%)において比較的明瞭なAPT信号の低下が認められた。一方、14/27人(52%)の患者では視覚的に信号異常が指摘されなかった。2.新たなpH強調画像法の確立従来のpH強調画像法は、限られた範囲の評価しか行うことができなかった。最大8cmの範囲をカバーできる3D撮影が可能なAPT強調画像撮影パルスシーケンスを導入し、pH強調画像のために最適化した。3.APT信号からpHを推定しマッピングするソフトウエアの開発上記のように、本研究での検討の結果、急性期梗塞部位のAPT信号低下は、健常部位と比較して平均1%以下と非常に小さかった。この原因の一つとして、APTの特異的周波数と対称に位置する+3.5 ppmに認められるnuclear Overhauser effect(NOE)が考えられる。NOEの影響を減少させ、より大きな虚血によるAPTの変化を捉えることを目的に、Keuppらが考案した新たなAPT信号の解析法を導入した。この方法では、APTとNOEの信号が存在する+-3.5 ppm(+-448 Hz)をフィッティングのデータポイントから外してLorenzian-Gaussianフィッティングを行い、これを用いてAPTやNOEを推定する。その結果、より大きな梗塞によるAPT信号の減少を観察できることが分かった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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