研究課題/領域番号 |
26293282
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
犬伏 正幸 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70399830)
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研究分担者 |
鬼頭 靖司 独立行政法人放射線医学総合研究所, 研究基盤センター, 主任研究員 (20311376)
山原 研一 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所・再生医療部, 室長 (50450888)
道川 祐市 独立行政法人放射線医学総合研究所, 緊急被ばく医療研究センター, 主任研究員 (20360688)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 分子イメージング |
研究実績の概要 |
本研究課題は以下の3つのテーマについて実施する協働研究で、5カ年計画のうちの初年度の研究実績の概要を示す。 (1)「NIS-Tgマウスの高発現ラインの近交系統樹立」:初年度の研究実施計画は、オリジナルで作成したNIS-Tgマウスを野生型のC57BL/6Nマウスとヘテロで交配継続することであったが、昨年度飼育室で発生したマウス肝炎ウイルス(MHV)集団感染事故に対する対策として、比較的高発現であった個体から一旦凍結胚を作成して凍結保存してから、一部の融解胚移植後に継代飼育を再開することとなった。その後、高取込形質の3世代継代が確認できた。 (2)「幹細胞シート移植後の生体内シート機能定量的評価」:初年度の研究実施計画の通り、NIS-Tgマウスから卵膜由来間葉系幹細胞を採取し、臨床応用と同手法で幹細胞シートを作成した。清潔手術によってラット心筋梗塞モデルを作成し、梗塞部の心筋表面に幹細胞シートを移植し閉胸した。その後、SPECT画像を撮像し、体外から細胞シートを検出することに成功した。 (3)「被ばくマウス救命における幹細胞移植の意義の解明」:初年度の研究実施計画は、半身照射、骨髄照射、低線量照射など様々なマウス被ばくモデルを試みることであった。検討の結果、国民の関心の高い高線量被ばく死(骨髄死および腸管死)との関連も考慮して、骨髄照射による骨髄被ばく障害モデルに加えて、局所X線高線量照射による小腸被ばく障害モデルを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テーマ(1)については、予期せぬトラブル(飼育室のHMV集団感染)が生じたが解決(凍結胚の作成と保存)し、最小限度(3か月以下)の遅れのみで、初年度の研究実施計画を再開できた。テーマ(2)および(3)については、おおむね交付申請書に記載した初年度の研究実施計画の通りに達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には交付申請書に記載した研究実施計画に基づいて粛々と研究を遂行する。研究を遂行する上での課題としては、初年度から研究補助員を雇用する予定であったが雇用できていないことである。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究補助員を雇用する予定であったが雇用できていないからである。派遣職員として常時公募を行っているが応募が無く、岡山のような地方都市ではそのような人材が極めて不足していることを本研究課題の採択後に初めて知った。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額として生じている額については、もともと応募時の研究計画調書で人件費として予算計上していた研究費の一部であるため、平成27年度に研究補助員の雇用ができればその人件費として使用する予定である。
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