研究課題/領域番号 |
26293283
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研究機関 | 国立研究開発法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
河村 和紀 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (50401766)
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研究分担者 |
山崎 友照 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (80627563)
謝 琳 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (30623558)
藤永 雅之 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (70623726)
張 明栄 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, プログラムリーダー (80443076)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 核医学 / PET / 分子イメージング / 摂食 / 肥満 / イミダゾリンI2受容体 |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度で開発したグレリン受容体PET用プローブの評価を行った。新規グレリン受容体PET用プローブは脳内への移行性が低く、薬剤排出トランスポーターにより直ちに脳から排出されてしまうことが分かった。小動物脳PET測定により薬剤排出トランスポーターを阻害することにより、脳への移行性が高まり、新規グレリン受容体PET用プローブが脳に集積することが確認され、脳のグレリン受容体イメージングの可能性を示した。次に、前年度までに開発したイミダゾリンI2受容体PET用プローブ([11C]BU99008)を用いた肥満モデルラットによる脳PET測定を行った。摂食中枢である視床下部に高い集積が確認され、[11C]BU99008を用いた脳定量PET測定により肥満型ラットがやせ型ラットより放射能集積が高まることを定量的に評価できた。以上の結果からイミダゾリンI2受容体が肥満と関連があることを示すことができ、イミダゾリンI2受容体と摂食機能との関連について更なる検討が必要であることが分かった。また、代謝型グルタミン酸5受容体選択的PET用プローブ[11C]ABP688を用いたラット脳PET定量測定も行い、肥満型ラットとやせ型ラットの脳内の代謝型グルタミン酸5受容体への放射能集積に有意な差が見られなかった。代謝型グルタミン酸5受容体と肥満との関連は以前の報告では示されていたが、脳PET測定では、内在性グルタミンの影響等により明らかな違いを示すことができなかったと考えられる。よって、肥満による脳内の変化をを感度良くイメージング及び定量できるのは、イミダゾリンI2受容体PET用プローブ([11C]BU99008)を用いたPET測定であると考えられ、次年度以降更なる検討を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イミダゾリンI2受容体結合の肥満による増加を明らかに示すことができ、成果を公表することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
イミダゾリンI2受容体選択的PETプローブ([11C]BU99008)を中心としたその他摂食に関連する神経受容体等選択的PETプローブによる肥満症及び肥満症治療薬評価の可能性について、PETを用いた研究により検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた物品を購入しなくても研究が進められるように工夫したため、研究費を節約することができ、次年度での研究を促進させるため繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究を促進させるための試薬及び小動物等を購入するために使用する。
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