研究課題
イミダゾリンI2受容体選択的PET用プローブ[11C]BU99008を用いたPET測定が肥満症の診断ツールとして有用であることについてさらに詳細に検討した。摂食中枢である視床下部への[11C]BU99008投与後の放射能集積及び結合能が肥満によって上昇することについては、内在性リガンドであるアグマチンの量を反映していると考えられ、肥満によりアグマチン濃度が変化することは以前から論文で報告されており、PET測定を用いて肥満による微量なアグマチン量の変化を[11C]BU99008結合の変化として定量化することができると考えられた。このことから、[11C]BU99008を用いたPET測定が肥満症診断のツールとしての有用性をさらに高めることができた。また、イミダゾリンI2受容体結合は、モノアミン酸化酵素の結合サイトとの相関が確認されており、モノアミン酸化酵素が肥満と関連があることも報告されている。よって、[11C]BU99008を用いたPET測定により、モノアミン酸化酵素の変化に起因する肥満の影響も反映していることが分かり、アグマチン量だけでなくモノアミン酸化酵素の変化の両方を反映した肥満による影響を評価できると考えられた。このように[11C]BU99008を用いたPET測定が肥満症の診断ツールとしてより有用であることが実証され、ヒトへの応用のため準備を開始した。非臨床安全性試験の必要性を検討し、準備を進めた。[11C]BU99008によるPET測定については、最近イギリスの研究チームが臨床応用を開始したことを報告され、我々も肥満症診断のツールとして臨床研究を進めていく準備を開始した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Molecular Imaging and Biology
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10.1007/s11307-018-1206-y
Nuclear Medicine and Biology
巻: 52 ページ: 49~56
https://doi.org/10.1016/j.nucmedbio.2017.06.002