研究課題/領域番号 |
26293287
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
秦 浩一郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90523118)
|
研究分担者 |
上本 伸二 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40252449)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 肝虚血再灌流障害 / ADAMTS13 / 肝移植 / 血栓性微小血管障害 / 微小循環障害 / TMA |
研究実績の概要 |
<マウス肝虚血再灌流モデル> ADAMTS13ノックアウトマウスおよび、野生型マウスを用いて、70%部分肝虚血を加え、90分後に再灌流した。非治療群として野生型マウスおよびノックアウトマウス、治療群として野生型マウスおよびノックアウトマウスにリコンビナントADAMTS13を投与した4群を設定、再灌流後2,6,24時間に血液および肝組織を採取し、血清ALT、LDHおよび末梢血中の血小板数、各タイムポイントにおける肝微小循環の測定、肝組織をHE染色、CD42b/ CD68+/ Ly-6G+での免疫染色、Tunel染色により評価、肝組織における各種炎症性サイトカインの遺伝子発現をRT-PCRにより解析した。 <ラット20%部分肝移植モデル> 雄性Lewisラット(280-320g)を用い、ドナーより全肝摘出後に、バックテーブルで右葉のみ(約20%)に減し、部分肝グラフトを作成、4℃HTK液で6時間冷保存後に、レシピエント・ラットへ移植した。全肝摘出前と肝下IVC吻合後にそれぞれrADAMTS13: 200U(治療群)或いは同量の溶媒を静注(対象群)した2群で、門脈再灌流後2,6,24時間後に、血液および肝組織を採取し、血清ALT、LDHおよび末梢血中の血小板数、各タイムポイントにおける肝微小循環の測定、肝組織のHE染色による評価を行った。また、本邦成人生体部分肝移植を模したモデルとしてジメチルニトロソアミン(DMN)投与による肝硬変作成後に、20%部分肝移植を行うモデルをすでに完成させた。 臨床研究:2014年4月より、肝移植ドナー・レシピエント、肝癌(肝細胞癌、肝内胆管癌、肝門部胆管癌、胆嚢癌を含む)症例の血漿サンプル採取を開始し、ADAMTS13活性の統計解析を施行中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス肝虚血再灌流障害モデル、ラット全肝および20%部分肝移植モデルともに確立し、良好な実験結果を得ている。 また、臨床研究としての ADAMTS13 肝周術期モニタリングも順調に進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
ラット肝移植モデルにおいて、vWF/RECA-1による免疫染色を行い、類洞内皮の評価、各種炎症性サイトカインの評価を行う予定である。 臨床研究において、現状を継続維持し多くの疾患群、術式における検体採取の後に統計学的解析を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子組み換えADAMTS13(Recombinant ADAMTS13)は、化血研からの供与を受けていたが、化血研の問題でその供給が停止し、実験計画に遅滞が生じたため。
|
次年度使用額の使用計画 |
H28年度の供給再開となった以降は、可及的早期に遅滞している実験計画を遂行する予定である。
|