研究課題
平成28年度には、胃がん患者、大腸がん患者由来のがん組織での遺伝子解析により同定されたドライバー変異に対する免疫反応を網羅的に解析した。① 胃がん患者(7名)、大腸癌患者(2名)由来のがん組織の遺伝子解析結果から,ドライバー変異として報告のある10種類の遺伝子変異(ミスセンス変異)を同定した。 ② 同定した遺伝子の変異配列を含む10種類の長鎖ペプチド(27mer)を合成し、健常者(16名)末梢血由来のリンパ球における免疫原性を検討したところ、3種類(30%)のペプチドで特異的なT細胞が誘導された。なお、CD8陽性T細胞を誘導するCTL抗原ペプチドは2種類(20%)CD4陽性T細胞を誘導するTh抗原ペプチドは3種類(30%)であった。これらのうち、2種類のペプチドが同一健常者においてCD8陽性T細胞およびCD4陽性T細胞の両方を誘導した。なお、複数の健常人(2人)に対して抗原性を示すペプチドは1種類(10%)のみで、多数の健常者末梢血リンパ球が反応する免疫原性の高い抗原ペプチドは同定できなかった。 ③ 変異配列への特異性を確認するために変異配列を含まない野生型ペプチドに対する反応性を検討したところ、3種類のペプチドで誘導されたT細胞はいずれも野生型ペプチドには反応せず、変異ペプチドのみに特異的に反応した。 ④ HLA Class II拘束性を検討するために各HLA Class II(DP, DQ, DR)特異的なブロッキング抗体の影響を調べたところ、1種類のペプチドで複数のHLA Class II型に拘束性を示した。以上の結果から、昨年度までの解析で明らかとなったパッセンジャー変異由来抗原の免疫原性の高さに比較して、ドライバー変異由来抗原の免疫原性は低いことが示唆された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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