研究課題/領域番号 |
26293297
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石毛 和紀 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20597918)
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研究分担者 |
柳川 徹 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10312852)
酒井 俊 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30282362)
磯辺 智範 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70383643)
蕨 栄治 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70396612)
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241827)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肥満関連肝疾患 / 脂肪性肝炎 / 転写因子 / 遺伝子レスキューマウス / 肝発癌 |
研究実績の概要 |
p62, Nrf2遺伝子二重欠損マウスは,通常食餌による飼育下で約10週齢以降に過食による肥満と単純性脂肪肝を呈し、約25週齢以降には脂肪性肝炎を発症、さらに、50週齢以降には約10%の個体に肝腫瘍が出現するユニークなヒトの非アルコール性脂肪性肝炎に類似したモデルである。われわれのこれまでの解析結果に基づき,組織特異的p62, Nrf2遺伝子ノックインマウスの作製に着手した。p62遺伝子の第2イントロンあるいはNrf2遺伝子の第2イントロンに、LoxP配列で挟まれた転写終結シグナルおよびpolyA付加シグナルを挿入した組換え遺伝子を持つ、ES細胞(C56BL/6由来)を相同組換えにより得た。これを胚盤胞(BALB/c由来)にインジェクションし、偽妊娠ICR メスマウスの卵管に移植してキメラマウスを作製する。このうち、キメラ率の高い雄を野生型C57BL/6雌と交配しF1ヘテロマウスを得る。遺伝子型の判定は、尾端組織DNAを用いたPCR産物のパターンを解析して行う。ここで得られる遺伝子改変マウス(p62KI/KIおよびNrf2KI/KI)は、第2イントロンで転写がストップするため、全身でp62あるいはNrf2の発現が欠損する。これらのマウスを、既に作製済のp62-/-、Nrf2-/-、あるいは互いに交配して、p62KI/KI:Nrf2-/-、p62-/-:Nrf2KI/KI、p62KI/KI:Nrf2KI/KIマウスを得る。これらのマウスは、全身でp62およびNrf2遺伝子二重欠損となり、NASHを発症する。次年度も引き続きノックインマウスの作製を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本学動物資源センターにて組織特異的p62, Nrf2遺伝子ノックインマウスの作製は順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
p62、Nrf2の全身二重欠損下において、組織特異的にp62、Nrf2の発現をレスキューするために、上記マウスを組織特異的にCreリコンビナーゼを発現するマウスと交配する。これにより生まれる仔は、Creが発現する組織でのみLoxPで挟まれた転写終結シグナルおよびpolyA付加シグナルが除去され、p62あるいはNrf2の発現がレスキューされる組織特異的ノックインマウスとなる。本研究では、腸管上皮、肝細胞、骨髄系細胞(クッパー細胞)、脂肪細胞特異的ノックインマウスを作製するために、それぞれLyz2-Cre、Albumin-Cre、CK19-Cre、aP2-Creマウスを用いる予定である。
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