研究課題
難治性消化器癌の「癌特異的な創薬」に向けて、「特異的な癌代謝経路」を解明し盤石な基盤を構築するのが大目標である。この「癌代謝を基軸とした創薬」の達成に向け、具体的に重要な癌遺伝子K-RAS 変異下流の代謝病態を主眼に据え、倫理規則等遵守下に消化器癌患者の新鮮材料から癌-宿主関係を再現し微小環境を再構築する動物モデルを作成、癌代謝産物の動的挙動を高精度に検出、他の静的状態のオミックス情報と照合、スパコン活用にて数理的統計的に解析を進めた。さらに臨床展開に向けて、癌多様性克服の実現可能な「代謝リガンド装着型ナノミセル[ 小径粒子] に核酸医薬を搭載したDDS(Drug Delivery System) 」を開発、POC(Proof-of-concept)確認、迅速な創薬展開のため基盤構築を進めた。以上より、難治性消化器癌の癌代謝のメカニズムを明らかとすることができ、治療標的として嫌気性解答系と酸化的リン酸化の鍵酵素を標的として同定できた。
1: 当初の計画以上に進展している
高精度の細胞内代謝解析を実施することにより大容量データの研究から要領良く標的物質のカタログ化を進めることが可能となり研究は順調に推移している。
当初の研究計画に基づいて、平成28年度も引き続き難治性消化器癌の患者の実態を分子的に究明する開発研究を進め、創薬の標的を明らかにする。低分子化合物や核酸医薬品の標的化を円滑に進める。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (4件) 産業財産権 (2件)
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