研究課題
食道扁平上皮癌(ESCC)の薬剤耐性や再発を最小限に抑え最適な治療を選択できる予測プログラムを構築することを目的に、オミックスデータを統合した分子プロファイリングによるシミュレーションとゲノム編集で作製するモデルでの実験的検討から、治療などが腫瘍内不均一性に及ぼす影響の推定、血液や生検組織から不均一性を予測する手法の開発、治療法のmissing linkを補う新規治療標的の同定も行うことを目指して研究を行い以下の成果を得た。1.ESCC臨床例からの検体、臨床情報の収集:既に予定を越えているが、平成28年度も引き続き検体と臨床情報の収集を進めた。転移巣は収集が困難であることから、平成27年度同様に、セルフリーDNA(cfDNA)採取を他の癌種も含めて進めた。2.ESCC臨床例の統合オミックス情報取得:複数の癌種を対象に、組織検体や血漿から、ゲノムあるいはエピゲノム変化の経時的データを取得し、臨床情報を含むオミックスデータを公的データベースからも収集して解析対象とした。治療や転移によるクローンの進化と選択の再構成が生じ、新たな治療標的の出現のモニターや治療奏効性の予測が癌種によらず可能であることが確認された。また、癌部特異的に遺伝子発現が亢進し、発現量と予後が相関すると共にノックダウンで増殖や細胞運動抑制が生じるESCCの新規分子標的候補遺伝子を同定した(論文作成中)。一方、多くの変異はパッセンジャーにランダムに生じる傾向があることが見出され、分子標的薬以外の治療に抵抗性のクローン出現を予測することが本課題で得られているオミックス情報からは困難であると考えられた。3.ゲノム編集による不均一性モデルの作製:ガイドRNAとCas9蛋白導入による高効率Crispr/Cas9系と癌幹細胞様クローンのマーカー導入により幹細胞様形質を獲得できる変異群により薬剤耐性が生じることが確認された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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