消化器癌の微量癌細胞の着床・増殖機序の解明と臨床応用

2016 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 26293306
• 研究機関: 鹿児島大学
• 研究代表者: 夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70237577)
• 研究分担者: 盛 真一郎 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (00620519) ; 奥村 浩 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (10398282) ; 中条 哲浩 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (20404486) ; 内門 泰斗 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 准教授 (30464465) ; 喜島 祐子 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (60381175) ; 上之園 芳一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (60398279) ; 石神 純也 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90325803)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: 微量癌細胞 / 消化器癌 / リンパ節 / 血中遊離脂肪細胞 / 肝転移 / 化学療法 / 化学放射線療法

研究実績の概要

原発腫瘍から末梢血中に侵入した血中遊離癌細胞（CTC: Circulating Tumor Cell）を検出し，その特性を知ることが遠隔転移メカニズムの解明に重要である.
90例の食道癌患者から末梢血を採取し，CTC検査を行った結果，25例(27.8%)にCTCが陽性であった．術前補助療法群と切除不能群のCTC検出率はそれぞれ19.4%、33.3%であり，切除不能群で有意にCTC検出率が高かった．予後の評価ではCTC陽性例が有意に予後不良であった．治療後にCTC検査を行った71例の治療効果判定はPR(partial response)が32例、SD(stable disease)が12例、PD(progressive disease)が27例であった．71例中15例で治療後にCTCが検出された．PR群では治療後CTCは2例(6.3%)のみに検出されたが、PD群では11例(40.7%)でCTCが検出された(p=0.034)。さらに治療効果判定との有意な相関関係(p=0.004)が認められた．
膵臓癌65例（9 Borderline resectable and 56 unresectable)を用いてCTCの検出を試みた．65例中21例(32.3%)にCTCが検出されすべてunresectable 例であった．予後に関してはCTC陽性例では，陰性例に比べて有意に不良であった(p=0.0051)．CTC陽性例では肝転移とも有意な相関関係が認められた．多変量解析ではCTCの有無は独立した予後因子であった．化学療法あるいは化学放射線療法を行い，血液採取ができた40名で，CTCが陽性であった症例は陰性例に比べて予後は不良であった．
血性のCTCを検査することは予後予測になるとともに，化学療法や化学放射線療法の治療効果を反映する因子になりえると考えられた．

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

28年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Clinical significance of altering epithelial-mesenchymal transition in metastatic lymph nodes of gastric cancer. (2017)
  • 著者名/発表者名: Okubo K, Uenosono Y, Arigami T, Yanagita S, Matsushita D, Kijima T, Amatatsu M, Uchikado Y, Kijima Y, Maemura K, Natsugoe S.
  • 雑誌名: Gastric Cancer 巻: － ページ: －
  • DOI: 10.1007/s10120-017-0705-x.
  • 査読あり
• [雑誌論文] Clinical impact of circulating tumor cells and therapy response in pancreatic cancer. (2017)
  • 著者名/発表者名: Okubo K, Uenosono Y, Arigami T, Mataki Y, Matsushita D, Yanagita S, Kurahara H, Sakoda M, Kijima Y, Maemura K, Natsugoe S.
  • 雑誌名: Eur J Surg Oncol. 巻: － ページ: －
  • DOI: 10.1016/j.ejso.2017.01.241.
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Filamin C promotes lymphatic invasion and lymphatic metastasis and increases cell motility by regulating Rho GTPase in esophageal squamous cell carcinoma. (2017)
  • 著者名/発表者名: Tanabe K, Shinsato Y, Furukawa T, Kita Y, Hatanaka K, Minami K, Kawahara K, Yamamoto M, Baba K, Mori S, Uchikado Y, Maemura K, Tanimoto A, Natsugoe S.
  • 雑誌名: Oncotarget. 巻: 8 ページ: 6353-6363
  • DOI: 10.18632/oncotarget.14087.
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] The clinical usefulness of the intraoperative detection of sentinel lymph node metastases by a rapid RT-PCR system in patients with gastric cancer. (2016)
  • 著者名/発表者名: Yanagita S, Uenosono Y, Arigami T, Daisuke M, Okubo K, Kijima T, Arima H, Hirata M, Haraguchi N, Hagihara T, Nishizono Y, Ishigami S, Natsugoe S.
  • 雑誌名: Cancer. 巻: 122 ページ: 386-392
  • DOI: 10.1002/cncr.29740.
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Impact of p53 and PDGFR-β Expression on Metastasis and Prognosis of Patients with Pancreatic Cancer. (2016)
  • 著者名/発表者名: Kurahara H, Maemura K, Mataki Y, Sakoda M, Shinchi H, Natsugoe S.
  • 雑誌名: World J Surg 巻: 40 ページ: 1977-1984
  • DOI: 10.1007/s00268-016-3477-2.
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [学会発表] 切除不能・再発胃癌患者における血中循環癌細胞のHER2発現からみた化学 療法効果予測 (2016)
  • 著者名/発表者名: 上之園芳一,有上貴明,柳田茂寛,大久保啓史,貴島 孝,松下大輔,奥村 浩,石神純也,帆北修一,夏越祥次
  • 学会等名: 第24回日本消化器関連学会週間（JDDW）
  • 発表場所: 神戸コンベンションセンター（兵庫県神戸市）
  • 年月日: 2016-11-05 – 2016-11-06
• [学会発表] Laparoscopic and endoscopic cooperative surgery （LECS） with sentinel node dissection for early gastric cancer. (2016)
  • 著者名/発表者名: Shoji Natsugoe
  • 学会等名: Korea International Gastric Cancer Week 2016
  • 発表場所: ソウル（大韓民国）
  • 年月日: 2016-04-22 – 2016-04-24
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Overview of multimodal treatment for esophageal cancer. (2016)
  • 著者名/発表者名: 夏越祥次
  • 学会等名: 第116回日本外科学会定期学術集会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県名古屋市）
  • 年月日: 2016-04-15 – 2016-04-16
  • 招待講演
• [学会発表] 切除不能・再発胃癌における化学療法中の血中循環癌細胞の変化とHER2発現に関する検討. (2016)
  • 著者名/発表者名: 上之園芳一,有上貴明,柳田茂寛,大久保啓史,貴島 孝,松下大輔,奥村 浩,石神純也,帆北修一,夏越祥次
  • 学会等名: 第116回日本外科学会定期学術集会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県名古屋市）
  • 年月日: 2016-04-15 – 2016-04-16
• [学会発表] 胃癌における主病巣と転移巣でのEMTマーカー発現に関する検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 大久保啓史，上之園芳一，有上貴明，柳田茂寛，松下大輔，貴島 孝，夏越祥次
  • 学会等名: 第116回日本外科学会定期学術集会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場（愛知県名古屋市）
  • 年月日: 2016-04-15 – 2016-04-16