研究課題/領域番号 |
26293308
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
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研究分担者 |
谷 眞至 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60236677) [辞退]
川井 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40398459)
尾島 敏康 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60448785)
廣野 誠子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60468288)
岡田 健一 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50407988)
宮澤 基樹 和歌山県立医科大学, 医学部, その他 (90549734)
清水 敦史 和歌山県立医科大学, 医学部, その他 (00637910)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 癌 / iPS / ペプチドワクチン |
研究実績の概要 |
平成26年度は健常人からのiPS細胞由来樹状細胞(iPS-DC)の分化誘導を主体に研究を行った.①健常人から繊維芽細胞を樹立しライン化.健常人4人(HLA-A2402)を対象として、皮膚繊維芽細胞を樹立、ライン化に成功した。②iPSへの誘導.CiRAプロトコールに従い,センダイウイルスベクターを用いて山中4因子を繊維芽細胞に誘導し、iPSコロニーをピックアップし、iPS細胞の誘導に成功した.当初はレトロウイルスベクター使用予定であったが、Clinical Gradeのセンダイウイルスベクターが使用可能であったため、変更した.③iPS-DCへの分化誘導.すでに報告している4 step培養法を用いて、DCへと分化誘導した.具体的にはStep 1: Feeder であるOP9 細胞とともに7 日間培養.Step 2:Feeder をrenew しrmGM-CSF 存在下a-MEN で7 日間培養.Step 3: レスfeeder でrmGM-CSF存在下RPMI で12 日間培養.Step 4: rmGM-CSF, rmTNF-a;存在下で48 hr maturationを行った.誘導したiPS-DCの細胞表面マーカー CD11c CD80 CD83 CD86 MHC class I/II CCR7など確認し、DCと相違ないことを確認.さらに成熟能をIFN-g IL12のELISAを行い、成熟DCであることを確認した. その後はカクテルペプチド刺激DCの作製を行った.5種類のカクテルペプチド(KIF20A, MUC16, Mesothelin, VEGFR1, R2)のHLA-A2402拘束のペプチドをパルスし、2日間培養した. 平成26年度後半はin vitroでのCTL誘導(stimulator:iPS-DC, responder: CD8Tcell)を行った.CTLの細胞障害活性をHLA-A2402腫瘍株、および自己LSL(ペプチドパルス)をtargetにCr assayを行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成26年度に計画した項目①健常人からのiPS細胞樹立 ②iPS-DCの分化誘導 ③カクテルペプチド刺激DCにおけるin vitro CTL誘導能 のすべてにおいて研究終了しており、特に研究計画を変更することなく進んでいるため、当初の計画以上に進展しているとした.特にiPS細胞樹立はもともとレトロウイルスを使用していたが、誘導能はあまり高くなく、時間も要していたが、センダイウイルスベクターに変更してからは、樹立効率は飛躍的に高く、またiPSへの樹立も1ヶ月以内となった.今後の研究のスピードアップも期待される.
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今後の研究の推進方策 |
ここまでは特に問題なく研究は進んでいる。今後は予定通り、膵癌患者からのiPS-DCの誘導、CTL誘導の研究をすすめていく.具体的にはHLA-A2402膵癌患者のリクルートとiPS細胞の樹立(今後は皮膚繊維芽細胞ではなく末梢血由来PBMCからのiPS細胞樹立を行う.)とDCへの分化誘導を行う.さらにカクテルパルスiPS-DCのin vitroでのCTL誘導をCD8T細胞をresponderとして行う.現在はHLAA24拘束の膵癌腫瘍株をTargetと考えているが、可能であれば自己の腹水から樹立したlineを用いる系も考慮している.
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