研究課題
1.膵癌患者からのiPS-DCの誘導平成27年度は昨年度に引き続きiPS-DCの誘導を行った.昨年度に健常人からのiPS細胞を樹立する際にセンダイウイルスベクターを用いることで,飛躍的に導入効率が高くなった点から,膵癌患者からのiPS細胞の樹立に際してもセンダイウイルスベクターを用いた.センダイウイルスベクターを用いてYamanaka 4 factor (c-myc, oct3/4, Klf4 Sox2)を導入しiPSコロニーをpick upしクローニングを行いiPSを誘導した.膵癌患者3人からiPSを誘導した.その後iPSからのDCへの分化誘導を行った.これまでどおり,4ステップ法を用いて各種サイトカイン添加培養にてDCへの分化誘導を行った.その後FACSでiPS-DCの細胞表面マーカーを確認した.結果、CD11c MHC class I/II CD40 CD83 CD86の発現ならびにサイトカイン分泌能(IFN-g IL-12)をELISAを用いてチェックした.膵癌患者由来のiPS-DCはナイーブなDCと変わらない成熟能を有することを確認した.その後DCの遊走能をチェックし,ナイーブDCと変わらないことを確認した.2.膵癌患者におけるカクテルペプチド刺激とCTLの誘導膵癌患者から誘導したiPS-DCのカクテルペプチドワクチン療法の可能性をin vitroで研究を行った.KIF20A MUC16 MSLN VEGFR1/2の混合ペプチドをiPS-DCに添加し,そのbinding affinityをチェックした.現在ペプチドパルスiPS-DCのin vitro刺激によるCTL誘導を行っている.
1: 当初の計画以上に進展している
膵癌患者からのiPS-DCの誘導は困難かと思われたが,センダイウイルスベクターを用いることでほぼ100%iPS細胞が樹立できること,またその後のDCへの分化誘導もスムーズに行えるようになったため,短期間での樹立が可能になった.また作業仮設どおりにDCが機能したため、現在はCTL誘導を行っている.
現在行っているカクテルパルスiPS-DCのin vitro CTL誘導研究を早急に行い,有用な結果が得られれば,実際のワクチン効果を検討する予定である.
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件)
Nat Genet
巻: in press ページ: in press
10.1038/ng.3547
Cancer Cell
巻: 29(2) ページ: 229-40
10.1016/j.ccell.2015.12.012.
Ann Surg
Cancer Sci
巻: 106(12) ページ: 1761-71
10.1111/cas.12819.
巻: 106(7) ページ: 883-90
10.1111/cas.12674.