我々は、詳細なリンパ路の解析とそれを網羅的に遮断することにより、ヒトの二次性リンパ浮腫に病理的に酷似した経過をたどる動物モデルの作製に成功した。このモデルを用いて、リンパ浮腫の線維化のメカニズムを探求したところ、TGF-βによる線維芽細胞から筋線維芽細胞への変異と活発なコラーゲンの産生が線維化の病態であることを突き止めた。一方ω3脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)の投与により、線維化が抑制されることを証明した。このことは、二次性リンパ浮腫のステージ3の患者から皮膚生検で得られた線維芽細胞でも同様に証明され、EPAの治療薬としての可能性が示唆された。
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