研究課題/領域番号 |
26293318
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三好 新一郎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00190827)
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研究分担者 |
豊岡 伸一 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30397880)
宗 淳一 岡山大学, 大学病院, 講師 (90559890)
山本 寛斉 岡山大学, 大学病院, 助教 (40467733)
佃 和憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (20346430)
阪口 政清 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70379840)
片山 博志 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (90713975)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肺癌 / HER2 / 遺伝子変異 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、我々が同定した新規HER2膜貫通領域の変異 (V659E, G660D) に加えて、HER2キナーゼ領域の変異 (A775insYVMA, G776VC, G776LC, P780insGSP) を正常気管支上皮細胞 (BEAS-2B) に導入したところ、HER2および下流シグナルのリン酸化を認め、また、Afatinibによってこれらのリン酸化が抑制された。HER2増幅を認める肺癌細胞株も使用してAfatinibの抗腫瘍効果を検討したところ、細胞増殖が抑制された。これらの結果から、HER2変異や増殖を伴う肺癌でのAfatinibの抗腫瘍効果が示唆された。これらの成果は学会発表および論文発表している。 また、肺癌におけるHER2異常の意義について検討を進めた結果、CK19がHER2に結合し、HER2を活性化していることを同定した。CK19についてさらに解析を進めており、一部の結果は学会発表している。 ヒト野生型および変異型HER2を有するノックインマウスの作成については、現在F2世代を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
変異型HER2の導入による下流シグナルの変化およびAfatinibの効果を示すことができた。また、HER2増幅を認める肺癌においてもAfatinibの抗腫瘍効果を示すことができた。これらの成果を学会・論文発表により社会に発信した。HER2とCK19の関連について新しい知見を得た。またノックインマウスの作成はF2マウスの作成が進んでいる。以上より、研究は概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
HER2とCK19の関連について、細胞実験だけでなく、臨床検体における検討も進める。 全身性にHER2を誘導するマウスを作成し、肺癌および他臓器癌が発症するか検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品の購入において当初の見込みよりもやや安く購入出来た結果、694円の未使用額が残った。少額であるためこれ以上の物品購入は困難であった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に繰り越して物品購入に充てる。
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