研究課題
平成26年度の研究により、細胞移植と電気刺激を組み合わせた研究のセットアップが確立された。パーキンソン病に対する脊髄刺激療法について、モデル作製前からの電気刺激が有効であることを報告した (Shinko A, et al. PLoS One 2014)。平成27年度の研究として、移植経路と移植のタイミングを検討した。経頚動脈的骨髄幹細胞移植の治療効果について、脳梗塞モデル作製から24時間後が移植タイミングとして妥当であるというデータが得られた (Toyoshima A, et al. PLoS One 2015)。これらの結果に基づき、平成28年度は、細胞移植と電気刺激を組み合わせた研究について検討を続けた。骨髄幹細胞を脳梗塞対側大脳皮質に移植し、脳梗塞領域の大脳皮質に電気刺激を行うことにより、移植骨髄幹細胞の脳梗塞への遊走距離が伸長することが明らかとなった。一方で、移植骨髄幹細胞の生存や分化については、有意な差異が生じなかった。脳梗塞体積は細胞移植+電気刺激群において、細胞移植+対照群と比べて縮小を示し、結果として行動学的改善を認めた。また、移植細胞の遊走能には、電気刺激によるSDF-1αの発現増加が関与していると推察された。現在、論文をExp Neurol誌に投稿中である。一方で、パーキンソン病モデル動物に対する電気刺激治療の研究を、より高い精度で、かつ、細かくパラメーターを分けて刺激条件の調整ができるような無線式刺激装置を企業とともに開発中であり、本研究期間終了後にもつながるシステムを構築できると考えられる。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (40件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
総合リハビリテーション
巻: 45 ページ: 21-26
Journal of the Neurological Sciences
巻: 373 ページ: 152-154
doi: 10.1016/j.jns.2016.12.040.
Neurol Med Chir (Tokyo)
巻: 56 ページ: 574-579
doi: 10.2176/nmc.oa.2016-0085. Epub 2016 Jul 11.
J Stroke Cerebrovasc Dis
巻: 25 ページ: e25-27
doi: 10.1016/j.jstrokecerebrovasdis.2015.11.029. Epub 2015 Dec 24.
Experimental Neurology
巻: 275 ページ: 220-231
doi: 10.1016/j.expneurol.2015.11.003.
脳卒中の外科
巻: 44 ページ: 125-131
機能的脳神経外科
巻: 55 ページ: 50-54