研究課題
平成27年度の脊椎疾患についての疫学成果としては、疫学調査を行った一般住民集団における975名の脊椎MRI検診データの解析より、腰椎椎間板変性(Pfirrmann分類グレード4以上)、椎体終板骨硬化、シュモール結節の有病率を明らかにし、腰椎椎間板変性かつ椎体終板骨硬化の存在は、腰痛と有意に関連することを解明し論文報告した(Spine J 15:622-8, 2015)。また928名の脊椎MRI検診データの解析より、脊椎椎間板変性とメタボリック症候群の構成要素(過体重、高血圧、高脂血症、耐糖能異常)との関連を検討した。因子調整済ロジスティック回帰分析の結果、過体重、高血圧、耐糖能異常は、胸椎椎間板変性と有意に関連し、メタボリック症候群の構成要素の個数が増大するにつれ、胸椎椎間板変性のオッズ比が有意に上昇した。これらのことより、胸椎椎間板変性は、メタボリック症候群の構成要素と有意に関連し、構成要素の数が多いほど椎間板変性のオッズ比が増大することが明らかとなった(PLoS One. 2016 Feb 3;11(2):e0147565)。
2: おおむね順調に進展している
当初の研究計画通り、一般住民集団の疫学調査に基づいて作成したデータベース解析により、脊椎疾患をはじめとする運動器疾患、運動器障害、併存疾患に関する疫学研究成果をあげて、学会報告及び論文報告を行うことができたため。
当初の計画に従い、地域一般住民コホートの疫学調査を実施してデータ収集を行い、長期縦断疫学データベースの構築を継続していく。また収集したデータから構築されるデータベース解析を行い、運動器疾患、運動器障害、併存疾患に関する疫学的知見を明らかにし、学会発表や論文発表の形で報告していく。
平成27年度はデータベース分析が研究の中心であったため。平成28年度に大規模疫学調査を予定しており、研究費使用予定のため。
一般住民を対象とする大規模疫学調査を実施し、データ収集を行ってデータベース化し、長期縦断疫学研究データベースの構築を行って、データベース解析研究を行う予定としている。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 謝辞記載あり 10件) 学会発表 (5件)
PLoS One
巻: 11 ページ: e0147565
10.1371/journal.pone.0147565
Osteoarthritis Cartilage.
巻: 24 ページ: 117-123
10.1016/j.joca.2015.07.017
Spine J
巻: 15 ページ: 622-628
10.1016/j.spinee.2014.11.012
BMC Musculoskelet Disord
巻: 16 ページ: 305
10.1186/s12891-015-0737-5
Osteoarthritis Cartilage
巻: 23 ページ: 874-881
10.1016/j.joca.2015.01.011
Clin Rheumatol.
巻: 34 ページ: 1589-1597
10.1007/s10067-014-2687-y.
J Orthop Sci.
巻: 20 ページ: 896-905
10.1007/s00776-015-0741-5
Osteoporos Int
巻: 26 ページ: 2597-2605
10.1007/s00198-015-3184-0
Obesity (Silver Spring)
巻: 23 ページ: 1517-1524
10.1002/oby.21130
Mod Rheumatol
巻: 25 ページ: 438-448
10.3109/14397595.2014.972607