研究課題
NAD (nicotinamide adenine dinucleotide)は,水溶性ビタミンであるニコチン酸,ニコチンアミドを前駆体として我々の体内で生合成され,酸化還元酵素の補酵素としてエネルギー獲得に重要な役割を有する。NAD を利用した様々な生化学反応が,種々の細胞イベントにおいて重要であることが報告されつつあるが、サーチュイン遺伝子による代謝制御はその代表的なものである。今井らは、NADによってコントロールされる全身性の代謝、老化の制御機構を「NAD」ワールドと名付けた。本研究ではNADワールドによる骨軟骨老化の制御機構を明らかにする。本年度には、Sirt6floxマウスを用いて、骨細胞特異的にSirt6を欠損するマウスの組織評価を行った。その結果、コントロールと比較し、これらの骨組織には特有の表現型が認められた。骨組織から採取したmRNAを解析したところ、骨代謝に重要な因子Xが著明に減少していた。骨芽細胞、破骨細胞初代培養系を用いて、サーチュインの標的因子の評価を行うと共に、因子Xのプロモーターアッセイを行っている。また、Sirt6欠損マウスは早期老化症の表現型を呈して1ヶ月程度で死亡するが、ある遺伝子Y改変マウスとの交差により、有意に寿命を延長させることが明らかになった。現在、メカニズムを解析中である。またYの低分子阻害剤を投与して寿命に対する影響を評価している。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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FEBS Open Bio
巻: 8 ページ: 523~532
10.1002/2211-5463.12390