研究課題/領域番号 |
26293337
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
秋末 敏宏 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (90379363)
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研究分担者 |
河本 旭哉 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30420558)
原 仁美 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40437489)
新倉 隆宏 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (40448171)
李 相亮 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40533732)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 癌 / トランスレーショナルリサーチ / 化学療法 / 動物実験 / 臨床研究 |
研究実績の概要 |
1.高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイスと化学療法(ドキソルビシン)の併用効果に関する基礎的機序の解明:平成27年度に施行した悪性腫瘍移植動物モデル(ヌードマウス)の腫瘍局所に対して、高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイスと化学療法(ドキソルビシン)の併用効果検討し、併用による腫瘍増大抑制効果を認めたが、平成28年度においては、実験動物を屠殺し得られた腫瘍組織に関して、その組織学的、分子生物学的、免疫組織化学的に腫瘍および全身に対する影響を検討した。MFH/UPS由来細胞株(NaraH)において、高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイスと化学療法(ドキソルビシン)の併用群は、高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイス単独使用群と比較して、腫瘍組織のapoptosisが亢進しており、その関連遺伝子・蛋白の発現及び活性が亢進していた。 2.乳がん細胞骨転移モデルにおける高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイスの抗腫瘍効果:平成27年度に作成に成功した乳がん細胞株(MDA-MB-231)をヌードマウス脛骨内に移植した骨転移動物モデルに対して、高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイスを単独使用し、その腫瘍抑制効果を検討した。結果、高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイスを使用した群では、コントロール群に比較して、CTによる画像評価で骨破壊が抑制され、また、腫瘍サイズも有意に小さく、高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイスを単独使用にて、乳がん骨転移動物モデルでの腫瘍増大抑制効果が確認された。 3.高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイスを用いた臨床試験:高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイスを悪性骨軟部腫瘍に使用した際の有害事象の有無・安全性を検討する第1相試験に関して、神戸大学臨床推進センターと協議し、研究計画書を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度においては、交付申請書に記載した研究計画とおり進行し、悪性腫瘍移植動物モデル(ヌードマウス)の腫瘍局所に対して、高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイスを単独と使用した場合と化学療法を併用した際の腫瘍抑制効果の機序に関しての検討を行った。また、乳がん骨転移モデルに於いても、高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイスを単独使用の腫瘍および全身に対する影響を検討した。動物実験の進捗は順調である。一方、臨床試験に関しては研究計画の策定はほぼ終了しているが、倫理審査前の状態であり、当初の計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書に記載した平成29年度の計画に従って推進する。具体的には、動物実験については、乳がん骨転移動物モデル(ヌードマウス)の腫瘍局所 に対して、高濃度炭酸ガス経皮吸収デバイスを使用した場合の抗腫瘍効果に関して、腫瘍組織を採取し、その作用機序の解明を組織学的、分子生物学的、免疫組織化学的に行う。なお、臨床研究に関しては、平成29年度早期に研究計画書の倫理審査を終了し、臨床研究を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度中に臨床研究を開始しなかったため、それに係る物品費および人件費の支出を行わなかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度早期に臨床研究を開始するため、それに係る物品費および人件費の支出を行う予定である。
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