研究課題/領域番号 |
26293341
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
高相 晶士 北里大学, 医学部, 教授 (90439117)
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研究分担者 |
内田 健太郎 北里大学, 医学部, 助教 (50547578)
松下 治 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00209537)
大鳥 精司 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40361430)
井上 玄 北里大学, 医学部, 准教授 (80594209)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | コラーゲン結合型成長因子 / コラーゲン材料 / 運動器再生 |
研究実績の概要 |
外傷による骨折、関節機能の破綻、末梢神経障害は日常動作、生活の質の低下のみならず精神的苦痛を与える。コラーゲン結合型塩基性線維芽細胞増殖因子(CB-bFGF)とコラーゲンシートを用いた骨再生シーズの育成と骨再生シーズの原理応用による軟骨再生シーズ、末梢神経再生シーズ顕在化を行った。骨形成促進シーズを育成すべく、コラーゲンシートとコラーゲン結合型bFGFによる骨形成促進シーズの最適化を行った。クロストリジウムヒストリチカムの産生する2種のコラゲナーゼ(ColH,ColG)に存在するコラーゲン結合ドメイン、PKDドメインを有する4種のコラーゲン結合型成長因子bFGF-CBD(ColG), bFGF-CBD-CBD(ColG),bFGF-CBD(ColH),bFGF-PKD-CBDを作製し、骨形成の比較検討を行った。その結果、bFGF-PKD-CBD(ColH)とコラーゲンシートの併用が最も高い骨形成能を有することが判明した。軟骨再生シーズの顕在化を行うべく、コラーゲン材料とコラーゲン結合型bFGFの併用による軟骨再生法の有用性をウサギ軟骨欠損モデルを用いて検討した。新規に開発したコラーゲン材料は、高い軟骨再生能を有していたが、コラーゲン結合型bFGFとの併用による効果は認められなかった。そこで、新規に開発したコラーゲン材料については特許出願を行った。現在、コラーゲン結合型BMPの作製に着手しており、軟骨再生に最適なコラーゲン結合型成長因子を探索中である。末梢神経再生シーズの顕在化を行うべく、ラット座坐骨神経欠損モデルを用いた検討を行った。その結果、末梢神経再生能に優れる人工神経の開発に成功し、特許出願を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨再生シーズについてはコラーゲンアンカーの最適化によりシーズ育成に成功した。軟骨再生シーズの顕在化については、コラーゲン材料とコラーゲン結合型bFGFとの併用による軟骨再生効果は認められなかったが、新規コラーゲン材料の開発により特許出願に至った。また、末梢神経再生シーズの顕在化に成功し、特許出願を行った。従って、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
骨再生シーズに関しては平成26年度に選出したコラーゲンアンカーをもつ種々のコラーゲン結合型成長因子を作成後、種々の病態モデルに適応し、さらなるシーズ育成を行う。 軟骨再生シーズに関しては平成26年度に発掘したシーズ(新規コラーゲン材料)を基盤とした軟骨再生法の確立を目指す。コラーゲン結合型BMP、TGF-betaの作製を行い、これらのコラーゲン結合型成長因子と新規コラーゲン材料との併用による軟骨再生を試みる。 末梢神経再生シーズに関しては平成26年度に顕在化した末梢神経再生シーズに関して組織学的検討、行動評価を行い、国際出願に向けたエビデンス構築を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
予期せぬ実験動物の死亡により動物飼育費用に408円の誤差が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度の動物飼育費用に使用する予定である。
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