研究課題
疼痛感受性と鎮痛薬感受性は患者ごとに大きく異なり、疼痛治療を困難にしている。そこで本研究では、(1)疾患群間で共通あるいは疾患特異的な疼痛・鎮痛薬感受性関連遺伝子多型を見出し、 (2) 関連遺伝子多型判定を用いた、患者ごとの鎮痛薬必要量や疼痛感受性を予測する数式を統計学的に構築し、改良することを目的としている。平成26年度は、第一に、下顎枝矢状分割術後疼痛管理における鎮痛薬必要量予測式を再構築するため、東京歯科大学水道橋病院にて下顎枝矢状分割術を受けた360症例の遺伝子多型データおよび臨床データを対象とし、統計学的解析を行った。前年度までにデータの重回帰分析により、鎮痛薬必要量予測式を構築したが、より良い予測式を構築するため、生物統計学を専門とする研究協力者(一宮)の助言を受けて、ステップワイズ法により予測式を構築し直した。第二に、鎮痛薬必要量予測式有用性を下顎枝矢状分割術後疼痛管理において検証するため、東京歯科大学水道橋病院にて下顎枝矢状分割術を受ける患者を対象に、遺伝子検査によって鎮痛薬必要量を予測して疼痛管理を行う、テーラーメイド疼痛治療を継続した。実施は、研究分担者(福田)と研究協力者(青木、吉田)が担当した。その結果、この疼痛治療法の有用性を検証する上で必要と考えられる合計200症例以上のデータが集積され、来年度に統計学的解析を行う準備が整った。本研究の成果は、疼痛および鎮痛薬感受性の遺伝子メカニズムの解明に繋がるとともに、テーラーメイド疼痛治療の改良、適応拡大に貢献するものである。
2: おおむね順調に進展している
特に研究を妨げる予想外の事象は生じなかったため。
当初計画通りに推進する。
遺伝子多型解析技術は日進月歩であり、年を追うごとにより良い解析ツールをより安価に用いることができる。そのため、平成26年度に収集したゲノムサンプルの網羅的な解析は、まとめて次年度以降に行う方が効果的である。そこで、平成26年度は極力物品費を押さえて研究を実施し、繰越額を捻出した。
翌年度分として請求した助成金と繰り越した額の計4,869,300円は、物品費として2,869,300円を主に最新の網羅的遺伝子解析チップの購入に充て、学会出張など旅費1,500,000円、研究補助者の人件費1,500,000円、英文校閲、論文投稿代などとして800,000円を使用する予定である。
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すべて 雑誌論文 (19件) (うちオープンアクセス 11件、 査読あり 13件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (46件) (うち招待講演 6件) 図書 (2件) 備考 (2件)
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