研究課題/領域番号 |
26293352
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
公文 裕巳 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30144760)
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研究分担者 |
江原 伸 岡山大学, 大学病院, 講師 (70379741)
阪口 政清 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70379840)
佐々木 克己 岡山大学, 大学病院, 助教 (80467745)
高本 篤 岡山大学, 大学病院, 助教 (30716816)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 遺伝子 / 癌 / バイオテクノロジー / 臨床 |
研究実績の概要 |
単量体p21GTP結合タンパク質(Small GTPase)であるRasは、不活性型のGDP結合状態と活性型のGTP結合状態間を循環し、増殖・形質転換・アポトーシス・移動・細胞周期の進行など、多くの細胞機能を制御している。Ras-GTPの細胞内蓄積は、正常細胞の癌化誘導の主な要因になると考えられている。平成26年度は、REIC/Dkk-3遺伝子とRasシグナリングに関連する分子として、細胞質内において癌化やステロイドレセプター輸送に関与する分子A、細胞質内のRasGEFとしてRas-GTPレベルを活性化する因子B、および活性化Ras・Akt・Rafの下流にあると考えられるMetastasis-relatedタンパク質Cの3つの機能性タンパク質に着目し、癌化シグナル制御機構の観点からの解析・検討を行った。また、REICノックアウトマウスおよび野生型マウスを用いて、各種組織におけるREIC/Dkk-3発現レベルおよびRas-GTPレベルについて解析し、次年度以降の研究の基盤データとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
REIC/Dkk-3遺伝子とRasシグナリングに関連するKey分子として、3つの分子を同定することができた。これらのタンパク質機能を踏まえ、癌化シグナル制御機構の観点から更に解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
抗癌化作用を有するREIC/Dkk-3遺伝子の機能領域の特定は、REIC/Dkk-3による発癌制御をより深く理解する上で極めて重要である。我々は既に、種々の長さのREIC/Dkk-3を発現するプラスミド{1-39aa, 1-78aa, 1-146aa, 1-207aa, 1-284aa, 1-350aa(完全長), 20-350aa(小胞体シグナル欠損)}での検討を終え、前立腺癌細胞において全長REIC/Dkk-3に比し1-39aa, 1-78aaが同等ないしそれ以上の機能(アポトーシス誘導能として)を持つことを確認している。これは、REIC/Dkk-3タンパク質の機能が、当該タンパク質が小胞体に移行するための小胞体シグナルドメインで主に制御されていることを示唆するものである。また近年の我々の研究により、この機能領域である1-78aaに結合する分子の候補が新たに同定された。そこで、当該分子にフォーカスして、REIC/Dkk-3遺伝子・タンパク質の機能を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品を予定より安く購入できたため未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度支払い請求分に本年度未使用分をあてがい、引き続き研究計画に基づき有効に適正に使用する。
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