研究課題/領域番号 |
26293352
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
公文 裕巳 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特命教授 (30144760)
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研究分担者 |
高本 篤 岡山大学, 大学病院, 助教 (30716816)
江原 伸 岡山大学, 大学病院, 講師 (70379741)
阪口 政清 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70379840)
佐々木 克己 岡山大学, 大学病院, 助教 (80467745)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 遺伝子 / 癌 / バイオテクノロジー / 臨床 |
研究実績の概要 |
抗癌化作用を有するREIC/Dkk-3遺伝子の機能領域の特定は、REIC/Dkk-3による発癌制御をより深く理解する上で極めて重要である。我々は既に、種々の長さのREIC/Dkk-3を発現するプラスミド{1-39aa, 1-78aa, 1-146aa,1-207aa, 1-284aa, 1-350aa(完全長), 20-350aa(小胞体シグナル欠損)}での検討を終え、前立腺癌細胞において全長REIC/Dkk-3に比し1-39aa, 1-78aaが同等ないしそれ以上の機能(アポトーシス誘導能として)を持つことを確認している。これは、REIC/Dkk-3タンパク質の機能が、当該タンパク質が小胞体に移行するための小胞体シグナルドメインで主に制御されていることを示唆するものである。今回の研究で、この1-78aaに結合するタンパク質とさらに別部位に結合するタンパク質が明らかとなり、REIC/Dkk-3を含めたこれら3つのタンパク質が癌化シグナルに重大な影響を与えている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
REIC/Dkk-3遺伝子と癌化シグナリングに関連するKey分子として、新たに1つのタンパク質を同定することができた。これらのタンパク質機能を踏まえ、癌化制御機構の観点から更に解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに得られた知見を基に、REIC/Dkk-3の分泌型タンパク質の作用メカニズムについて解析する。REIC/Dkk-3は通常細胞質に存在しており、その一部が分泌型REIC/Dkk-3として間質、結合織、および血中に存在する。既に、REIC/Dkk-3の強制発現が細胞外マトリックスの分解酵素であるMMP-2の発現を抑制することを報告しているが、この分子メカニズムは現時点で明らかでない。Rasシグナリングの下流のAktおよびGSK-3の機能が抑制された結果MMPsの発現が抑制される経路や、分泌型REIC/Dkk-3がWnt receptorとそのリガンドの結合を阻害しcanonical pathwayを通してMMPsを抑制する経路が考えられる。細胞質内及び分泌型REIC/Dkk-3の機能の解明は本研究の目的を達成する上で必須であり、上述のRas-GTPレベルおよびRasシグナリング関連分子にフォーカスして解析を進める 。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定より節約することができたため未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度支払い請求分に本年度未使用分をあてがい、引き続き研究計画に基づき有効に適正に使用する。
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