研究課題
1本研究では、卵巣癌の発生(発癌)やがん進展(浸潤・転移)における宿主免疫の作用メカニズムを解明し、がん免疫に関する新規の卵巣癌予防や治療戦略を開発することを目的として、卵巣癌発生やがん進展過程における局所免疫状態の経時的変化の解析をおこなった。まずマウス卵巣癌発癌モデルにおける腫瘍微小環境における各種免疫細胞の分布や関連遺伝子発現の経時変化を解析する目的で、p53などのがん抑制遺伝子発現抑制やMycなどのがん遺伝子の強制発現などを組み合わせた複数種の細胞株を入手できたため、それぞれを同種同系マウスに腹腔内に接種した。そのうち腫瘍が生着した細胞株について各種遺伝子変異に基づく腫瘍局所の免疫状態を解析している。また一方で、がん細胞株が生着していない(拒絶)マウスについては、脾臓細胞やリンパ節などの免疫細胞を抽出し、がんに対する免疫監視メカニズムを検討している。なおISIIRTgマウス以外の掛け合わせによる発癌マウスモデルについても入手を検討している。
2: おおむね順調に進展している
1遺伝子背景の異なる複数種のマウス卵巣癌細胞株を入手でき、免疫抵抗性(免疫逃避能)獲得と免疫監視(免疫監視)の間での免疫学的な相違について、免疫細胞分布に合わせて、網羅的遺伝子発現解析などで、免疫抑制(活性)化因子の探索は計画どおり進んでいる。
1平成26-27年度から進めている、上述の複数種のマウス卵巣癌細胞株接種モデルを用いた免疫抑制因子の同定とともに発癌モデルマウスを用いたがん微小環境での免疫学的経時変化を解析し、類似あるいは共通の免疫関連因子を抽出する予定である。さらに仮想抗原OVAを発現するマウス卵巣癌細胞株を用いて、OVA抗原を認識するT細胞をもつOT-1マウスへの繰り返し投与による免疫抵抗性(免疫逃避能)獲得能を有する細胞株を樹立と未知の免疫抑制因子の同定についても検討を開始している。
マウスへの腫瘍接種モデル作成に時間を要しており、cDNAライブラリー作成の試薬等を購入できなかった為
上記マウスモデルを早急に作成し、昨年度完結できていない検討内容【上記】を遂行する
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