研究課題
細胞死を免れるためのストレス抵抗遺伝子の同定初期の内膜症の鉄は、Fe3+メトヘモグロビン(三価鉄)が主体であり、Fe2+(二価鉄)がフェントン反応を起こした後の残骸が蓄積し、Fe2+から多量のOHラジカルが産生された結果、主にDNA塩基のG(グアニン)⇒T(チミン)変異(トランジション)が起こっている「急性炎症」期にあると推定され、鉄による酸化が抗酸化機能を上回っている状況である。いずれ細胞死を迎える寸前でかろうじて生存していることが分かる。一方、「慢性炎症」期に入るとFe2+オキシへムが優位となり、過剰な酸化ストレスに対して転写因子であるHNF-1betaを過剰発現させ、CD44v9などの抗酸化・解毒タンパクを産生し、新たな抗酸化活性が機能している。すなわち、「慢性炎症」期に入って生き延びた内膜症細胞は過酷な環境における細胞死を免れるため抗酸化機能を発揮すると考えられ、これが発癌につながることを証明した。細胞周期停止実験HNF-1betaがClaspinを過剰発現させ、Chk1-Claspin複合体を形成することによりChk1リン酸化を持続安定させ、細胞周期が停止する機序を解明する。卵巣明細胞腺癌細胞株にHNF-1beta遺伝子導入およびノックアウト細胞を作成し、経時的にChk1リン酸化とClaspin発現を調べる。また、Chk1-Claspin複合体の形成を免疫沈降で調べた。HNF-1beta遺伝子導入した、あるいはノックダウンした不死化子宮内膜間質細胞を用いてFe2+添加あるいは紫外線照射によるDNA障害時にChk1のリン酸化を指標として、Claspinの影響を検討した。同時にClaspin遺伝子導入した、あるいはノックダウンした不死化子宮内膜間質細胞を用いて細胞周期回転を生化学的に解析した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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