研究課題/領域番号 |
26293362
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
宮本 新吾 福岡大学, 医学部, 教授 (40209945)
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研究分担者 |
鍋島 一樹 福岡大学, 医学部, 教授 (40189189)
四元 房典 福岡大学, 医学部, 講師 (40533089)
八木 裕史 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70623552)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 卵巣癌 / HB-EGF / マイクロRNA / 診断マイクロアレイ |
研究実績の概要 |
完全切除可能であった初発卵巣癌症例における手術前、手術後の血中HB-EGF 値が低下を示した10例の症例の手術前および手術後の血清中micro RNA arrayを行いました。これにより、HB-EGFの低下に伴い、同様に低下する3種類のmicro RNAを、発現亢進するmicro RNA3種類を同定しました。 また、第I相臨床試験により、BK-UM治療により部分寛解あるいは増悪のなかった 6 例と 増悪した 5 例のmicroRNA arrayを行い、BK-UMの投与により発現の変動するmicroRNAを探索しました。これにより、HB-EGFの低下に伴い、同様に低下する7種類のmicro RNAをを同定しました。 組織中に発現している核酸によるBK-UM感受性遺伝子の探索(診断核酸ミニアレイ): 複数の難治性卵巣癌患者のRNAよりcDNAライブラリーを作成し、レトロウイルスベクターライブラリーを作成しました。本検討は本年度も継続して解析を行っていきます。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1次スクリーニングによりマイクロRNAについては概ねリスト化されました。このリストに準じて患者検体および疾患モデルでの整合性を検証し、診断薬の基盤となるマイクロアレイを設計していく実験が進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
診断アレイの候補としてリスト化されたマイクロRNAについて患者検体や疾患モデルを使用して、HB-EGF選択的抑制薬BK-UMの感受性を評価します。これにより、BK-UMの感受性診断に有用なマイクロRNAを特定していきます。HB-EGFは癌の足場非依存性に重要です。このため、各遺伝子のスフェロイド形成能およびモデルマウスでの造腫瘍能を評価することにより、リストの遺伝子がBK-UM感受性を変化させるかどうかの整合性を評価します。 卵巣癌患者から得られた発現ライブラリーについても今年度中にリスト化を行い、機能解析へ移行していきます。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子発現ライブラリーの製造効率が良好で、追加作成を現時点で行わなかったため。また、マウス実験に使用する製品の製造が平成26年度内には困難であったため、本年度に繰り越しした。
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次年度使用額の使用計画 |
マウスに投与するマイクロRNAのインヒビターに使用する。
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