研究課題
生殖補助医療に伴う医原性エピゲノム変異(変化)は、発生に重篤な影響を与えるインプリンティング遺伝子制御領域や、その他の遺伝子のプロモーター領域よりもむしろ、遺伝子発現に影響を与えない領域のランダムなDNAメチル化変化の方が、流産などで淘汰されずに出生児でも遺残している可能性がある。そこで、マイクロアレイ技術を用いた網羅的DNAメチル化解析(主にプロモーター領域を中心)とともに、次世代シークエンサーを駆使した網羅的DNAメチル化解析手法の確立を進め、Reduced Representation Bisulfite Sequencing(RRBS)法を用いた全ゲノム網羅的DNAメチル化解析手技を行った。RRBS法は、制限酵素処理によりCpGアイランド領域を濃縮し、およそ8割をカバーする一方で、全ゲノムバイサルファイトシークエンスと比較すると格段に低コストで、全ゲノム領域のDNAメチル化解析を行うことができる。培養条件を変えたマウス初期胚を用い、RRBS法による全ゲノム領域網羅的DNAメチル化シークエンスを行った。我々が本研究立案時に予測した通り、現在までのところ、エピゲノム変化の起きやすいホットスポットは見当たらず、ランダムな変異が観察された。また、ヒト胎盤と同一個体の臍帯血を比較したところ、胎盤は正常発生であってもDNAメチル化状態の「ばらつき」が大きく、発生過程の環境ストレスに伴うDNAメチル化異常の検証により適していると考えられた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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