日本では毎年、多くの赤ちゃんが体外受精で生まれて来ますが、その中にゲノムインプリンティング異常症と呼ばれる特殊な患者さんが多い可能性を心配する研究結果が以前報告されました。しかし我々は、そのような仮説に疑問を持っていましたので、日本人の体外受精を受けた方々のご協力をいただき、最先端の遺伝子解析技術や統計学的手法を駆使して詳細な解析を行いました。その結果、やはり当初我々が予想した通り、体外受精とゲノムインプリンティング異常のはっきりした関連は見つかりませんでした。我々の結論は最近の海外の類似研究とも矛盾ありません。一方で、新しい医療技術導入の際には詳細な安全性検証が今後も必要であると考えます。
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