研究課題
1.嗅神経上皮の加齢・傷害・再生過程における組織脂肪酸組成変化の解析2か月齢雄C57BL6マウスにメチマゾールによる嗅粘膜障害を惹起した。コントロール群(非傷害群)と傷害後4日、14日、2か月の時点で鼻腔組織を採取、切片を作成し、切片に抗12/15リポキシゲナーゼ抗体による免疫染色を行ったところ、陽性細胞を鼻腔側壁の嗅粘膜固有層の血管周囲に認めた。陽性細胞はコントロールおよび傷害後4日、2か月の組織にはほとんど認められず、嗅神経の再生期に一時的に遊走浸潤する細胞と考えられた。細胞腫の同定のため、マスト細胞(トルイジンブルー染色)、マクロファージ(抗F4/80抗体免疫染色)、好酸球(シリウスレッド染色)をそれぞれ行い抗12/15LOX抗体染色と比較したところ、マクロファージ染色および好酸球染色の分布が抗12/15LOX抗体染色とオーバーラップし、陽性細胞はマクロファージまたは好酸球の可能性があると考えられた。2.Computational Fluid Dynamics (CFD)を用いた嗅裂気流の解析嗅覚障害に対して行われる内視鏡下鼻内手術 (ESS) の目的は嗅裂気流を最適化することであるが、術前後の気流動態を可視化することは困難である。そこでCFDの手法を用いて、手術術式と術後の嗅裂気流の動態の変化を解析した。CT画像を基にvirtual ESSによる汎副鼻腔根本術を行い,術前,術後の鼻腔の気流解析の比較検討を行った.Virtual ESSでは,従来の篩骨洞開放群と,篩骨洞開放に加え上鼻道を十分に開放させた群を作成した.解析結果により、篩骨洞の開放の際に,上鼻道を十分に開放することが術後の嗅裂部における気流量の増加につながることが明らかになり、上鼻道の開放が術後の嗅覚改善に寄与する可能性が示唆された.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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