研究課題
上咽頭癌発癌過程における代償性増殖の意義を解明するために1)EBV陽性上咽頭癌細胞と周囲の正常細胞の間で細胞競合が起こること、その際には、EBV遺伝子LMP1によるエクソゾーム分泌亢進が生じていること、2) 上咽頭癌細胞からエクソゾームの分泌が活性化されることによりEBERsが周辺細胞に分泌されること、3)癌と正常細胞の境界にSPARCを発現する「死にゆく細胞ゾーン」が形成されること、4)このゾーンから誘導されるシグナルは上咽頭癌細胞の増殖に有利に働き、このゾーンの競合する正常細胞がアポトーシスなどで死んだあと伸すペースに、代償性に上咽頭癌細胞が増殖して、ゾーンが癌細胞で占拠されること、5)そして癌細胞と正常細胞の間に新たなゾーンが形成され。癌細胞領域が拡大してゆくこと、6) 一方で、ゾーン形成機序としてのEBV遺伝子産物の役割とゾーンの細胞で起こっている細胞死プロセスに関する分子機構の結果、正常細胞におけるSPARC発現を強化することで、治療後に少数残存する癌細胞を正常細胞が駆逐できること、などが解明され、本申請で予定していた研究はおおむね順調に進んだ。そのため、当初4年で計画していた本申請課題を3年で終了として、その継続発展的研究課題として、今後、抗腫瘍的に作用する薬剤やウイルス複製サイクルを抑制する化合物が代償性増殖に及ぼす影響に加え、オートファジーが上咽頭癌発癌進展機構に及ぼす影響を解明し、新規治療法の開発を模索する。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件)
Oncogene
巻: 36 ページ: 1687-1697
10.1038/onc.2016.335.
Auris Nasus Larynx
巻: 27 ページ: 327-332
10.1016/j.anl.2016.07.015.
J Med Virol
巻: 89 ページ: 1088-1095
10.1002/jmv.24737.
Acta Otolaryngol
巻: 136 ページ: 834-840
10.3109/00016489.2016.1157728.
PLOS ONE
巻: 11 ページ: e0163609
10.1371/journal.pone.0163609.