我々はIgA/MのFc受容体であるFcα/μRを欠損したマウスがLPS投与による敗血症において、炎症性サイトカイン/ケモカインの産生が減少し、生存することを見いだした。混合骨髄キメラマウスの解析から、Fcα/μRを発現する境界領域B細胞がIL-6の産生を介して全身性の炎症応答に寄与することが明らかとなったが、そのIL-6産生はマクロファージからの産生に遅れ、LPS投与4時間後から生じていた。抗体投与によりLPS投与4時間後以降のIL-6を中和すると炎症応答は減弱し、マウスが生存することが明らかとなった。よって、遅発性のIL-6の中和を目的とする、敗血症の新規治療法の可能性が示された。
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