研究課題
本研究の目的は、全世界で3秒に1人が死亡する敗血症患者を助けることである。最近、新規敗血症の致死因子としてヒストンが注目されている。ヒストンは、本来、生命の維持に必須であるが、細胞外では、個体死、血小板凝集惹起などを引き起こし炎症サイトカインとして振舞っている。よって、ヒストンの細胞外での制御は必須である。さらに、ヒストンがインフラマソームの活性化(IL-1βの産生)を研究代表者らは新たに見出した。しかしながら、ヒストンの細胞外での制御機構、インフラマソームの活性化などは未だ解決されていない。したがって、本研究は、致死因子ヒストンのインフラマソーム活性化の解明とヒストンの阻害因子の探索を行うことで敗血症の新規治療法の足がかりとなる。本年度は、ヒストン刺激によるIL-1βの産生をASC依存性を検討した。その結果、ASC非依存的にもヒストン刺激はIL-1βの産生を誘導した。
3: やや遅れている
研究代表者らは、世界に先駆けてヒストン刺激がインフラマソームの活性化、すなわち、炎症性サイトカインであるIL-1βの産生を誘導することを見出した。非常にユニークなことにインフラマソームのkey分子であるASC非依存的にもIL-1βの産生誘導していることが判明した。おそらくカスパーゼのシグナル伝達系が複雑に関与していると考えられる。このような思いがけない研究結果によりやや遅れいている。
本年度は、インフラマソームのkey分子であるASCの非依存的にもIL-1βをヒストンが誘導した。したがって、今後はインフラマソーム以外のシグナル伝達、すなわち、カスパーゼのシグナル伝達系をも検討する予定である。ASCの発現が見られない細胞(例.RAW264.7細胞)などを用いて更なる検討を行う。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)
Blood Rev.
巻: 30 ページ: IN PRESS
10.1016/j.blre.2015.12.00
Med Hypotheses
巻: 85 ページ: 618-621
10.1016/j.mehy.2015.07.028.
J Am Anim Hosp Assoc
巻: 51 ページ: 369‐400
Journal of Veterinary Medical Science
巻: 77 ページ: 1191‐1193
10.1292/jvms.15-0153.