研究課題
自律神経系は循環器系以外の多様な疾患にも深く関わると推測されているため、研究チームは神経医療の適応対象の拡張を目指している。しかし、神経の電気刺激実験は技術難度や電極コストが高く、候補疾患を迅速に探索することは出来ない。そこで電気刺激を代替する遺伝学的な神経刺激技術を開発する。平成28年度は、平成26および27年度に引き続き、特定臓器に分布する自律神経のうち特定の神経種(交感あるいは副交感神経)に遺伝子を導入するウィルスベクター技術の開発に取り組んだ。交感神経および迷走神経のプロモーターの制御下に蛍光タンパク(GFPやRFP)が発現するようなウィルスベクターや遺伝子改変動物(ラット)の改良を進めると共に、刺激用遺伝子や抑制用遺伝子等の神経機能を操作するための発現遺伝子を様々に試し、実際に利用できるものを拡充した。その結果、腎臓・胃・小腸・膵臓・心臓・筋などの局所組織において、その組織に分布する交感神経に特異的に遺伝子を導入することが出来た。また、同様に、その組織に分布する副交感神経(迷走神経)に特異的に、遺伝子を導入することが出来た。さらに、その神経の活動を増加させたり、抑制したりすることが出来た。また一方、自動循環管理を実用化するための病態監視、適応制御治療、安全装置やアラーム装置等について、実データや現場模擬仮想データ等に基づくコンピューターシミュレーションなどによって検討を行い、将来の遺伝学的神経操作との統合についても検討した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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