研究課題
Rosa-TdTomato reporterマウスとSox9CreERT2 knock-in (KI)マウスを交配して得られた3週齢のSox9CreERT2;Rosa-TdTomatoマウスにタモキシフェンを投与して、アキレス腱の付着部形成過程におけるSox9陽性細胞の寄与を解析した。その結果、骨側の線維軟骨だけでなく腱付着部近傍から離れた部位に存在する腱細胞にも、Sox9陽性細胞由来の細胞が存在することが明らかになった。ScxGFP Tgマウスのアキレス腱とその付着部を含む切片で、GFPとSox9に対する抗体を用いて二重免疫染色を行うと、Scx/Sox9陽性細胞が腱付着部に観察されるが、成熟した腱細胞ではSox9は発現していなかった。従って、Scx/Sox9陽性細胞が腱細胞に分化すると、Sox9の発現が消失してScxのみを発現するようになると考えられる。ゲノム編集によって作成したScx欠失マウスとSost欠失マウスの解析では、骨格標本を作製し、骨・軟骨分化マーカーの免疫染色、in situ hybridization、トルイジンブルー、ヘマトキシリン・エオジン染色などの組織学的解析を行った。Scx欠失マウス胚や新生仔では、Scxの遺伝子座にCre-recombinaseをKIしたScxCre KIホモマウスと同様に、成熟腱・靱帯のマーカーであるTenomodulin (Tnmd)の発現が、これまで報告されていた終止腱だけでなく、他の腱や靱帯でもほぼ消失していた。Scx欠失マウスやScxCre KIホモマウスでは、Scxが持続的に発現する腱・靱帯だけでなく、Scxが一過性にしか発現しない種子骨や腱・靱帯付着部軟骨などの骨格との連結部も低形成になっていた。Scxが欠失すると、腱・靱帯付着部や種子骨が形成されつつある領域で、Smad1/5とSmad3のリン酸化が減少していることから、Bone morophogenetic proteinとTransforming growth factor betaのシグナル経路が、腱・靱帯と軟骨の連結に重要な役割を果たしていることが明らかになった。これらの結果は、Scientific Reports誌にて公表した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 7件)
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