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2014 年度 実績報告書

粘膜細菌感染における Foxp3陰性IL-10産生制御性T細胞の分化・機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 26293400
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

永井 重徳  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50348801)

研究分担者 東 みゆき  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90255654)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードヘルパーT細胞 / 細菌感染 / 粘膜免疫
研究実績の概要

粘膜組織における細菌感染による慢性炎症の誘発・持続には、ヘルパーT(Th)細胞が重要な役割を果たし、特にTh1やTh17細胞などの炎症性細胞が病態の悪化に関わっている。一方でこれら炎症性細胞に対し、炎症を抑制するTh細胞も誘導され、行き過ぎた炎症性細胞の活動を抑制し、炎症反応を終息させるよう働く。粘膜組織における炎症抑制には、抑制性サイトカインであるIL-10が深く関わっていることから、IL-10を産生するFoxp3陰性Th細胞(Tr1細胞)の分化制御機構を明らかにすることが重要である。
本研究では、まずIL-10産生細胞の割合がなるべく高くなるような、Foxp3陰性IL-10産生細胞(以下Tr1細胞)の分化の条件を検討した。また、樹状細胞を用いて抗原特異的なTr1細胞を分化させる条件についても併せて検討した。さらにTr1分化に関与するシグナル分子に関して探索を試みた。すなわちTr1細胞を分化させる時に様々な阻害剤を加えることにより、そのうちのいくつかが分化を抑制することを見出し、Tr1分化におけるシグナル経路の候補を見出した。また、Foxp3発現細胞およびIL-10産生細胞を同定するには、通常は細胞を固定しなければならず、その後の遺伝子発現解析やタンパク発現解析ができないため、Foxp3発現細胞表面にヒトCD2分子を発現するマウスおよびIL-10産生細胞で蛍光タンパクを発現するマウスを導入して飼育を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに、30%以上のTr1細胞を、in vitroにおいて誘導することができるようになり、ウェスタンブロット法によるシグナル解析などのために充分な誘導効率でTr1細胞を得るための分化条件を設定した。また、抗原特異的Tr1細胞を作製し、in vivo解析に必要な遺伝子改変マウスも導入したため、Tr1細胞に関する詳細な解析を行う準備が整いつつある。

今後の研究の推進方策

今後は、シグナルの下流に存在する分子の詳細な解析を行う予定である。また、導入した2種類のマウスを掛け合わせたマウスを作製し、実際に粘膜細菌感染モデルを用いて、in vivoにおけるTr1細胞の解析にも着手する予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] A novel mouse model of soft-tissue infection using bioluminescence imaging allows noninvasive, real-time monitoring of bacterial growth.2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshioka K, Ishii K, Kuramoto T, Nagai S, Funao H, Ishihama H, Shiono Y, Sasaki A, Aizawa M, Okada Y, Koyasu S, Toyama Y, Matsumoto M.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 9 ページ: e106367

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0106367

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Phosphorylation of Akt and Foxos induced by TGF-β negatively controls the differentiation of Induced Regulatory T Cells.2014

    • 著者名/発表者名
      Shigenori Nagai, Yutaka Kurebayashi, Miyuki Azuma, Akihiro Yoshimura, Shigeo Koyasu
    • 学会等名
      第43回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2014-12-10 – 2014-12-12
  • [学会発表] TGF-βによるAktおよびFoxoのリン酸化はiTreg分化を負に制御する2014

    • 著者名/発表者名
      永井 重徳,紅林 泰,東 みゆき,吉村 昭彦,小安 重夫.
    • 学会等名
      第37回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-11-25 – 2014-11-27
  • [学会発表] Cellular Responses of Immune Cells Derived from Mouse Spleen to Hydroxyapatite Ceramics Surface-modified with Inositol Phosphate.2014

    • 著者名/発表者名
      Kiyotaka Yamada, Mariko Nakamura, Shigenori Nagai, Michiyo Honda, Mamoru Aizawa
    • 学会等名
      26th Symphosium and Annual Meeting of the International Society for Ceramics in Medicine
    • 発表場所
      Barcelona, Italy.
    • 年月日
      2014-11-06 – 2014-11-08
  • [学会発表] イノシトールリン酸を表面修飾した水酸アパタイトセラミックスに対するマウス脾臓由来免疫細胞の応答性.2014

    • 著者名/発表者名
      山田 清貴,中村 まり子,永井 重徳,本田 みちよ,相澤 守
    • 学会等名
      第24回無機リン化学討論会
    • 発表場所
      高知
    • 年月日
      2014-09-25 – 2014-09-26
  • [図書] アバス-リックマン-ピレ「分子細胞免疫学」第7版(第12章)2014

    • 著者名/発表者名
      白木 文子,永井 重徳.(監訳:松島 綱治,山田 幸宏)
    • 総ページ数
      627ページ
    • 出版者
      エルゼビア・ジャパン
  • [備考] 東京医科歯科大学 分子免疫学分野

    • URL

      http://www.tmd.ac.jp/mim/

  • [産業財産権] 細胞培養基材、細胞培養基材の製造方法、細胞培養方法、及び細胞培養装置2014

    • 発明者名
      相澤守,中村まり子,山田清貴,永井重徳
    • 権利者名
      相澤守,中村まり子,山田清貴
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2014-192763
    • 出願年月日
      2014-09-22

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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