研究課題/領域番号 |
26293404
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋藤 正寛 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (40215562)
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研究分担者 |
福本 敏 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30264253)
江草 宏 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30379078)
山田 聡 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40359849)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | マルファン症候群 / 細胞外マトリックス / 結合組織疾患 / 弾性線維 / 大動脈瘤 / 歯周病 / 創薬開発 / 分解酵素 |
研究実績の概要 |
マルファン症候群(MF)は、微細線維と呼ばれる弾性機能を司る細胞外マトリックス成分の機能不全を原因に致死性の解離性大動脈瘤を発症する致死性の結合組織疾患である。MFは遺伝病であるにも関わらず、3~5千人に1人と高い割合で発病し、日本国内でも2万5千人~4万1千人の近くの患者がいると考えられている(Miyairi et al,Int.Heart J 2013)。これまでMF症候群の患者には延命に必要な薬物療法と人工血管置換手術に加え、妊娠、激しい運動の回避、極度の近視などのライフスタイルに制限があり、これらを改善する新たな治療技術の開発が切望されている。これまでMFの治療に関して、薬物療法と外科手術で正常の人なみに寿命を延長することが可能になったが、完全に抑制する事は出来ないため、再外科治療を余儀なくされる事が多い。 研究代表者は微細線維を再生するADAMTSL6βを発見し、MF予防薬としての開発を行ってきた。このADAMTSL6βは微細線維の重合を促進する作用があり、また生体内に投与すると微細線維を再生する事が出来る。本研究期間でADAMTSL6βは同じADAMTS super familyに属するADAMTS4のメタロプロテアーゼ活性に関して促進的に働く事を明らかにした。ADAMTSL6βをマルファン症候群モデルマウスの大動脈瘤に強制発現させると、ADAMTS4と物理的に結合して結合組織の強度を調整しているversicanの分解を促進した。この結果よりADAMTSL6βをマルファン症候群の治療薬として開発するためには、ADAMTS4と結合しない変異体(⊿TSP)の開発が必要出有ることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで研究代表者はマルファン症候群のモデル動物を用いてADAMTSL6βの機能解析を行ってきた。この中で、ADAMTSL6βが同じADAMTSファミリーに属するADAMTS4と結合することで破壊的に働いていることを示した。また研究計画で記載されているADAMTSL6αおよびβのノックアウトマウスの作製も順調に進んでおり、昨年度にこれらのマウスを得ることが出来た。また抗ADAMTSL6および抗fibrillin-1抗体の作製も完了し、これらを用いてマルファン症候群の患者サンプルを用いてこれらの分子が病態進行に関わるかも進めている。これらの発見は研究計画当初とはことなる新知見を得ることが出来た。これらの成果に関して、論文投稿準備を進めている。以上の理由により本研究計画はおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に記載されているADAMTSL6βの機能ドメインである⊿TSPを作製し、これらの分子の微細線維形成能力の検証と、MFの大動脈瘤に対する抑制効果を解析する。この結果を元にADAMTSL6製剤の開発を進める。また昨年度に作製したADAMTS6αおよびβ のノックアウトマウスを用いて、歯周病および大動脈瘤発症に及ぼす影響を解析すると共に、⊿TSPの効果を検証できる実験構築を目指す。これらの研究成果より、ADAMTSL6製剤の歯周病治療薬および大動脈瘤予防薬として基盤技術の確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品の使用に関して、実験計画に遅れが出たため購入時期が遅れた。
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次年度使用額の使用計画 |
早期に該当する消耗品を購入して、実験計画を進めることにした。
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