研究実績の概要 |
本研究の最終目標は,歯髄・根尖歯周組織疾患の治療において炎症を即時に検出し積極的に制御した後に再生組織を誘導する次世代型治療法を確立することにある.平成30年度の研究実績は以下の通りである. 【研究実績1:マイクロ内視鏡によるリアルタイム炎症検出機器の開発】炎症検出機能を有する口腔内カメラにイメージファイバ内視鏡のプローブ部分をレンズ経由で接続したプロトタイプを作成し,取得画像を画像処理ソフトで補正することで先鋭な画像を取得できることを明らかにした(Fujimoto et al., IEEE Trans Biomed Eng, 2018 accepted).また,湾曲根管モデルを用いた根尖部の視認性と解像度を作製した内視鏡と歯科用実体顕微鏡とで比較・検証し,湾曲根管における内視鏡の優位性を明らかにした(Yoshii et al., J Endod 2018). 【研究実績2:MTI-IIによる炎症制御法の開発】MTI-IIを元に作成したペプチド(MPAID)が炎症応答下にある骨芽細胞の石灰化能を回復することを明らかにした(投稿準備中). 【研究実績3:セメント・硬組織のハイブリッド再生組織誘導法の開発】Bioactive Glass配合セメントが直接覆髄材として有用性を明らかにした(Hanada et al., J Biomed Mater Res B, 2018 accepted).また,作製したBioactive Glass配合ゼラチンスポンジは擬似体液及び培養液中で表層にハイドロキシアパタイト結晶が析出することを明らかにした(Washio et al., J Biomater Sci, Polym Ed 2018accepted).
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