研究課題
本研究では咬合違和感を訴える患者に対する治療開発をすることを将来的な最終目標としている。今回の研究では、歯に刺激を加えた時の神経活動情報伝達の様相を解明し、ポツリヌス毒素(BoNT)投与による効果を解明することである。ラットの小臼歯を機械的に刺激して、脳の活動部位を18F-2-フルオロー2-デオキシーDーグルコース(FDG) を用いて放射線断層撮影法(PET)により計測した。イソフルレン麻酔下のラットに対し、電気的フォンフライ装置を用いて刺激強さを計測しながら、上顎右側小臼歯を刺激した。歯の刺激前にはFDGを尾静脈から注射し、100、200、300gの強さで刺激した。脳PET画像は脳を4分割(右上、左上、右下、左下)して、FDG集積のピーク値を計測したところ、右下部において、300gの刺激は100、200gの刺激よりもFDGのより多くの集積が観察された。また、感覚部位、運動部位、海馬、三叉神経節、脊髄に分類して観察したところ、三叉神経節と感覚部位においてFDGのより多くの集積が観察された。また、眼下窩神経を緩く結集し、神経刺激したラットでは顔面部の機械刺激閾値の低下が観察された。感覚神経節へのBoNT直接投与後には閥値の回復を認め、神経情報伝達を抑制する可能性が考えられた。さらに、三叉神経刺激後には三叉神経節内のサテライトグリアの興奮が観察されるとともに、サイトカイン(IL-2など)の遊離増加が観察された。これは、神経刺激により興奮したサテライトグリアからサイトカインが遊離されたことを示していると考えられる。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Prosthodontic Research
巻: 61 ページ: 87-95
10.1016/j.jpor.2016.06.003
J Prosthodontic Res
巻: 61 ページ: 20-33
10.1016/j.jpor.2016.06.005