研究課題/領域番号 |
26293413
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
村田 比呂司 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (40229993)
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研究分担者 |
小椎尾 謙 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (20346935)
筑波 隆幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30264055)
西村 正宏 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (00294570)
洪 光 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (70363083)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯学 / 補綴・理工系歯学 / 有床義歯補綴学 / 軟質リライン材 / レオロジー |
研究実績の概要 |
超高齢社会を迎え、以前よりも義歯補綴に不利な形態をした顎堤(高度顎堤吸収、被圧縮性の低下した義歯床下粘膜)や褥瘡性潰瘍等の病変を有する患者が増え、さらに訪問歯科診療も増加している。このような義歯難症例患者には、粘膜調整・ダイナミック印象と長期軟質リラインを一つの材料で、かつ直接法で行えることが理想と考えられる。さらに汚れに対する自浄(セルフクリーニング)機能と薬理学的に粘膜治癒促進機能を有する材料が存在すれば、義歯治療成績の向上と治療期間の短縮が期待できる。 そこで本研究では、国内外通じて初の試みとなる①粘膜調整・ダイナミック印象と長期軟質リラインを一つの材料で行う光重合型マルチファンクション機能、②生体活性物質(bFGF)による粘膜創傷治癒促進機能、③ナノ複合化光触媒による自浄(セルフクリーニング)機能、④フッ素系モノマーによる高耐久化機能の4つの機能をもつ新規軟質リライン材の開発を目指す。 本年度は研究成果の一部(リライン材のガラス転移温度の評価)が国際誌に掲載された。またリライン材の成分がヒト歯肉線維芽細胞および破骨細胞分化に及ぼす影響、Candida albicansの付着についての学会発表を行った。さらに軟質リラインについての基礎および臨床に関する内容をまとめた著書を編著者として執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はこれまで得られた研究成果の誌上発表、学会発表を行い、順調に成果の公表を行うことができた。またCandida albicansの付着実験法の確立もできた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、開発を目指す軟質リライン材の生体適合性、抗菌作用、モノマー成分(とくにフッ素系モノマー)と動的粘弾性(硬化進行中および硬化後)との関係、および光触媒の効果等の実験を行っていく予定である。得られた研究成果は順次、学会発表、誌上発表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初平成27年度に評価する予定であった硬化進行中の動的粘弾性測定の条件設定に時間を要し、さらに生体適合性に関する評価に多くの時間を費やした。そのため硬化挙動の解析に関する本実験の進行が若干遅れ、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
当初平成27年度に行う予定であった硬化進行中の動的粘弾性測定・評価に必要な消耗品に主として使用する予定である。その他、生体適合性の評価にも消耗品費をあてる予定である。
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備考 |
2015年12月10日 「デンチャーケアの最新知見」グラクソ・スミスクライン社員向け講演会を行った。
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