研究課題/領域番号 |
26293425
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森 士朗 東北大学, 大学病院, 講師 (80230069)
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研究分担者 |
伊藤 康一 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (70400299)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高周波超音波画像 / 超音波造影剤 / 転移リンパ節 / 口腔癌 / 画像診断 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ナノ・マイクロバブルと高周波超音波を用いた造影超音波三次元画像とCT画像の組み合わせを可能にするボリュームレジストレーション法を開発し、従来の画像診断法では困難であった微小転移リンパ節の検出と詳細な解剖学的位置情報を画像化しマッピングできる次世代の画像診断システムを開発することである。これまで、我々が樹立したヒトと同等の大きさのリンパ節を有するリンパ節転移モデルマウスMXH10/Mo /lprの転移病巣の形成過程をタイムゼロからナノ・マイクロバブルを用いた血管およびリンパ管造影高周波超音波三次元画像、マイクロCT三次元画像、生体発光イメージング画像および病理組織像を経時的に取得し、転移病巣の形成パターンを解析した。その結果、リンパ節内で腫瘍細胞が増殖するとある段階までは、リンパ行性に輸出リンパ管からリンパネットワークにおいて下流のリンパ節に腫瘍細胞が流出し、転移病巣を形成するが、リンパ節内での腫瘍細胞の増殖がある段階に達すると、腫瘍細胞はリンパ節内の血管に流入し、血行性に転移病巣が形成される可能性が示唆された。平成27 年度においては、リンパ節内およびその周囲の微小血管およびリンパ管のマイクロCT画像を取得したリンパ節を病理組織学的に解析し、さらに、マイクロCT画像所見を超音波造影剤を用いた超音波画像解析法を用いて確認することができた。現在のところ、造影マイクロCT画像と造影超音波画像との直接のフュージョン画像の作製には至っていないが、本研究で開発されたボリュームレジストレーション法を用いることにより鮮明な造影超音波画像の取得が可能になり、造影マイクロCTの所見を造影超音波画像で検証することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究において、我々が樹立したヒトと同等の大きさのリンパ節を有するリンパ節転移モデルマウスの転移病巣の形成過程を生体発光イメージング画像造影高周波超音波三次元画像、マイクロCT画像、および病理組織像を経時的に取得し、転、移病巣の形成パターンを解析した。さらに、リンパ節内およびその周囲の微小血管およびリンパ管のマイクロCT画像を取得したリンパ節を病理組織学的に解析し、さらに、マイクロCT画像所見を超音波造影剤を用いた超音波画像解析法を用いて確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
我々が樹立したヒトと同等の大きさのリンパ節を有するリンパ節転移モデルマウスを用いて、腫瘍細胞の種類や転移病巣の形成時期の違いについて、リンパ節内の血管およびリンパ管のみならず、その周囲の血管およびリンパ管も含めて、生体発光イメージング画像、血管およびリンパ管造影高周波超音波三次元画像、マイクロCT三次元画像、および病理組織像を取得し解析することにより、転移病巣の形成過程をより早期、且つ精確に捉える手法と転移リンパ節のマッピング法の開発を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、概ね順調に進行しているが、平成27年度においては、実験結果の確認のため多くの検証実験を行い、結果として研究の進行に実験用マウスの供給が追い付かず、一部の検証実験が平成28年4月に延期となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度においては、リンパ節転移モデルにおける転移病巣の形成過程を経時的に、生体発光イメージング装置および造影高周波超音波画像解析装置を用いて解析し、さらに造影マイクロCT画像を取得後、病理組織標本を作製、免疫病理組織学的に解析する。以上の実験に次年度使用額を使用する。
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