研究課題/領域番号 |
26293430
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森山 雅文 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20452774)
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研究分担者 |
中村 誠司 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60189040)
中島 衡 福岡大学, 医学部, 教授 (70188960)
坪井 洋人 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80580505)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | IgG4関連疾患 |
研究実績の概要 |
IL-33は主に上皮細胞、MΦ、樹状細胞(dendritic cell: DC)などが発現しており、受容体のST2は主にTh2細胞に発現している。Th2細胞はこのIL-33/ST2シグナルによって活性化され、Th2サイトカイン(IL-4、IL-13)を産生しているとされる。そこで本研究では、IgG4-DS患者7例、SS患者10例、健常者10例を対象とし、唾液腺におけるIL-33、ST2、IL-4、IL-13、IFN-γ、MΦ(CD68、CD163)、DC(CD11c、CD123)について検討を行った。その結果、IFN-γ のmRNA発現量はSSで他の群より有意に発現が亢進していたが、それ以外の分子はIgG4-DSで他の群より有意に発現が亢進していた。さらにはIgG4-DSでは、IL-33とTh2サイトカイン(IL-4、IL-13)のmRNA発現量は正の相関を認めた。IL-33は全群で導管上皮細胞に認めたが、IgG4-DSのみeGC周囲にも散在性に認めた。蛍光二重染色ではIL-33はCD68、CD163と局在がほぼ一致しており、CD11cやCD123とはほとんど一致しなかった。これらの結果より、IgG4-DSの病変局所においては、M2 MΦが産生するIL-33がTh2優位な環境を形成し、病態形成に寄与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IgG4関連疾患におけるIL-33産生細胞も同定され、現在その研究成果について論文作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度より顎下腺を用いたDNAマイクロアレイを行うことにより、IL-33以外の疾患感受性分子についても検索を行う予定である。最終的にはIgG4関連疾患のモデルマウスを作成することを目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進行が順調であるため、研究成果発表の機会が多くなり、旅費が予想より上回ったが、物品費の支出は予想より下回ったため
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越す予算については、物品費に充当する。
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