研究課題
【目的】IgG4関連疾患(IgG4-RD)におけるIgG4クラススイッチにはIL-4やIL-10などのTh2サイトカインが重要な役割を果たしていると考えられているが、最近ではヘルパーT細胞などの獲得免疫だけではなく、自然免疫(特にToll様受容体(TLR))もIgG4-RDの病態形成に関与していることが示唆されている。そこで本研究では、IgG4-RDの唾液腺病変で発現亢進を認めたTLR7に注目し、ヒトTLR7 トランスジェニック(huTLR7 Tg)マウスを作製し、その表現型を検討した。【方法】huTLR7 Tgと野生型(WT)マウスの各臓器(顎下腺、膵臓、腎臓、肺、肝臓)における重量、病理所見(リンパ球浸潤、繊維化)について評価した。さらに、TLR7アゴニスト(R848)による刺激実験を行い、WTマウスとの比較検討を行った。【結果】huTLR7 TgはWTマウスと比較して、臓器重量は有意な差は認めなかったが、唾液腺、膵臓、および肺におけるリンパ球浸潤と繊維化は有意に亢進していた。さらに、片耳にR848を4週間塗布して刺激実験を行ったところ、huTLR7 Tgマウスでは唾液腺と膵臓で、WTマウスでは肝臓と腎臓でリンパ球浸潤・線維化が亢進した。また、Tgマウスでは血清IgG1値(ヒトのIgG4に相当)が上昇したのに対し、WTマウスでは血清IgG2a値(ヒトのIgG1に相当)が上昇した。【結論】huTLR7マウスはIgG4-RDの好発部位に類似した病理所見を認め、血清IgG1(ヒトのIgG4に相当)の上昇も認めることから、IgG4-RDモデルマウスへの応用が可能であることが示唆された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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