研究課題
1)ECM遺伝子改変マウスにおける表現型モデル解析:結合組織におけるTGF-b受容体遺伝子異常によりECMの恒常性が破綻し、心臓血管疾患を発症するロイス・ディーツ症候群モデルマウス(LDSマウス)を180日間長期に飼育し、老化モデルを作成した。同マウスの生存率を解析した結果、対照群の野生型マウスと比較して、統計学的有意に生存率が低下することが明らかとなった。大動脈組織の組織学的解析から、同モデルマウスでは、弾性繊維のねじれや破断像が観察され、老化による大動脈疾患の進行により生存率が低下する可能性が見出された。一方、歯根膜特異的ECMであるPLAP-1の遺伝子改変マウス長管骨において、老化とともに骨粗鬆症様の所見を示すことが見出された。2)ECM遺伝子改変マウスにおけるPorphyromonas gingivalis(P.g.)感染歯周病モデル解析:P.g.菌をマウス口腔内に連続して投与することにより歯周病モデルを作成した。上顎歯槽骨の吸収をマイクロCTにて解析したところ、LDSマウスでは、野生型と比較して有意に骨吸収が進行していることが再現された。次にこれら上顎骨の組織切片を作製し、観察したところ、歯槽骨表面に存在する多核の破骨細胞数が増加している可能性が見出された。3)胎児由来線維芽細胞(MEF)を用いた細胞機能解析:LDSマウスの胎児からMEFを単離し、TGF-bで刺激したところ、TGF-b反応性遺伝子の発現、およびTBF-b反応性のSMAD2のリン酸化が減弱しており、LDSマウスの結合組織を構成する細胞レベルでは、TGF-bシグナル伝達が低下している可能性が示唆された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Dental Research
巻: 95 ページ: 1026-1033
10.1177/0022034516645796