研究課題/領域番号 |
26293439
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 信博 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60183852)
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研究分担者 |
泉福 英信 国立感染症研究所, 細菌第一部, 室長 (20250186)
鷲尾 純平 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20400260)
坂本 光央 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソースセンター, 研究員 (50321766)
小関 健由 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80291128)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 口腔バイオフィルム / 唾液 / メタボローム解析 / 口腔疾患 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
1.最新のCE-MSメタボローム解析システムの構築:CE-MSメタボローム解析システムについては、引き続き、代謝関連物質同定アルゴリズムを含めて最適化を行った。また、単一細菌を用いることで測定系を単純化し、測定精度の検討を行うとともに、代謝阻害剤を反応系に加えることで、本解析システムによってどれだけ代謝阻害の影響を解析できるかを検討した。 2.微量サンプルでも代謝活性測定可能なalamarblue代謝活性測定システムの構築:pHスタットでは量が少な過ぎて解析が困難であったバイオフィルム試料の代謝活性測定は、代謝の際に産生される還元力を検出できるalarmarBlueを予めバイオフィルムに負荷し、代謝還元力によって変化するalamarBlueの蛍光強度を測定することで可能となった。バイオフィルムの必要量もごく微量であり、口腔内の各サイト(各プラーク、舌苔等)から得たバイオフィルムサンプルを用いて各種代謝基質による代謝活性を測定し、比較検討することができた。 3.口腔バイオフィルム・唾液試料の採取、前処理法の確立:(1) 試料の採取法、(2) 口腔バイオフィルム試料の前処理法、(3) 唾液試料の前処理法について、測定精度へ与える影響に関して比較検討を行った。また、口腔バイオフィルム試料量の指標としては、湿重量を用いるのが最も妥当であることが明らかになった。 4.上記研究結果を、国際学会(The 6th International Symposium for Interface Oral Health Science)、および国内学会(第5回口腔保健用機能性食品研究会)にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
pHスタットによる微量の口腔バイオフィルムの代謝活性の測定は精度不十分であることが分かったが、直ちに、蛍光色素を用いた別法による測定を検討し、微量の口腔バイオフィルムの代謝活性を測定できることを明らかにすることができ、研究はおおむね順調に進展しているものと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、pHスタットに代わる方法を用いて口腔バイオフィルムの代謝活性を測定することとなったものの、大きな研究計画の変更はなく、今後も順調な研究の進展が期待される。
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次年度使用額が生じた理由 |
予備的検討により、pHスタットによる酸やアルカリの産生を指標とした代謝活性の測定は微量の口腔バイオフィルムの代謝活性測定に適さないことが分かったことから、pHスタットの購入を取りやめた。pHスタットに代わる手法として、蛍光色素法を用いることし、それに要する試薬等の購入に充てたが、残金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
機器メーカーにて微量試料測定用pHスタットの開発が引き続き行われており、新規pHスタットによって口腔バイオフィルムの代謝活性が測定可能となった場合には、次年度以降に改めて購入を検討したい。
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