研究課題/領域番号 |
26293444
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
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研究分担者 |
真田 弘美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肥満 / 皮膚 / 看護工学 / 酸化ストレス / 超音波診断装置 / 減量 / 真皮 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、これまでの研究成果をもとに、BMI25以上の肥満者を対象に運動・栄養指導による減量プログラムを毎月2回実施し、経時的に皮膚内部の酸化ストレスと真皮層の構造と体重・皮下脂肪量変動との関係を明らかにすることである。昨年度の課題として症例数の少なさがあったため、今年度も、BMI25以上で減量意思のある20歳から64歳までの男性とBMI25未満の20歳から64歳までの男性を対象に、毎月1回のウォーキングを中心とした運動教室、食事指導1回を引き続き実施した。そして1年後の体重減少率、皮脂脂肪の厚み、真皮エコー輝度、皮膚酸化ストレスの測定を行った。初回103名のうち1年後の調査実施者は25名であった(対象追跡率24.3%)。対象者の平均年齢は38.9±13.8歳、平均BMIは25.6±4.0kg/m2であった。1年後にBMI25以上の男性で5%以上の減量が実現できた対象者は8名であった。8名の腹部および大腿部後面の超音波診断装置で測定した皮下脂肪の厚みは全員が減少していた。皮膚の酸化ストレスを反映する毛根から採取した検体のHO-1mRNA発現は腹部で0名、大腿部1名(12.5%)が減少であった。また、真皮エコー輝度においては、腹部で増加2名(25%)、大腿部で増加4名(50%)であった。以上の結果は、横断調査において、標準体重群、肥満体重群の2群間比較結果から立案した減量後の仮説において、皮下脂肪の厚みは仮説どおりであったが、皮膚酸化ストレス、真皮エコー輝度においては仮説と逆の結果であった。今後、ベースラインのBMIの程度、減量の程度、減量に要した期間、減量手段などの多角的な交絡因子の検討も含めて検討が必要だと考える。また、さらに症例数の確保も継続して行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象者のリクルートが予定より少なく、また減量効果のある人も少ないため。
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今後の研究の推進方策 |
必要な症例数を確保するため、金沢大学が包括的協定を結ぶ市町村、企業等に調査依頼を行う。さらに脱落を防ぐためにITを活用した動機づけ、保健師との連携を検討する。症例数によっては、研究デザインを肥満群の群内比較(減量群、非減量群)に変更することを考慮する。
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