研究課題
本研究の目的は、後期高齢者に提供される‘足趾ケア’の身体的効果を転倒予防という視点から日常での生活活動の量および質に関する側面を加え解き明かしていくことである。平成28年度では、①後期高齢者の足趾ケア効果の評価および日常生活活動との関連性高い評価指標の検討と、②在宅後期高齢者を対象とした身体機能・足部状態と転倒不安との関連についての横断的および縦断的検討(2年後評価)を計画として挙げた。《測定項目・計測方法の検討》 足趾ケア効果の評価として高齢者の神経・血管系に関する計測項目について計測条件ならびに計測方法の検討を行った。高齢者7名を対象に、足趾ケア前後での神経伝導速度の計測を行ったが、1名はわずかな数値の改善が認められたものの、残り6名には変化が認められなかった。そのため、神経伝導速度はケア効果の主要指標とせず、身体機能の評価項目として取り上げることとした。《身体機能・足部状態と転倒不安の2年後評価》 在宅後期高齢者150名〔男性45名(30.0%),年齢82.3±4.0歳,MMSE28.4±1.99点,独居89名(59.3%),転倒歴あり38名(25.3%)〕の追跡測定を行った。2年後での変化量として、体重-0.2±4.63Kg,FRT-7.8±10.19cm,10m歩行時間-0.5±1.79秒,握力(右)-0.1±2.94Kg,足趾筋力(右)-0.8±2.81Kg,1日活動量-805±2,307歩であった。さらに機能低下が認められたのは、FRT118名(78.7%),10m歩行時間91名(60.7%),1日活動量86名(57.3%),足趾筋力78名(52.0%)であった。一方、身体活動SEは90名(60.0%)が得点低下したが、転倒不安FES-Iに得点低下したのは55名(36.7%)であった。引き続き、脱落群の解析とともに、足趾ケアの効果との関連を分析していく。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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