研究課題/領域番号 |
26293453
|
研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
神原 咲子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (90438268)
|
研究分担者 |
石峯 康浩 国立保健医療科学院, その他部局等, その他 (40450259)
ガツ ランドウ 高知県立大学, 看護学部, 講師 (40635249)
大川 宣容 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (10244774)
時長 美希 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00163965)
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
山田 覚 高知県立大学, 看護学部, 教授 (70322378)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 減災 / 地域モニタリング / 看護指標 |
研究実績の概要 |
本研究は、世界の健康危機管理に関わる国際的な指標のレビューや国内の災害や健康課題研究から看護による減災すなわち「減災看護」の構造と枠組みを明らかにし、減災看護によるアウトカム指標を継続的にデータを収集・分析しながら、平常時の地区診断、災害時の迅速な情報基盤を開発することを目的とする。さらに減災看護によるアウトカム指標に関する情報収集システムを構築し、平常時と災害時の運用を検討することを目的としている。 平成26年度は、過去の災害時の経験をもとに「災害時に直面する看護課題と基本的な減災看護活動」について、資料収集、シミュレーション訓練、インタビューを行いながら減災の視点から看護活動を振り返ることにより、平時における地域モニタリング機能を有する減災看護モデルの構築とその変数に資する減災看護の概念を探索した。 その手段として、1)東日本大震災におけるに「災害時に直面する看護課題と基本的な減災看護活動」について、資料を収集し分析した。 2)近年利用されているマニュアルやモニタリングガイドラインなどから仮説枠組みに項目を分類した。仮の項目を用いて3)避難所情報可視化アプリ「Sherepo2」を国内の企業と共同開発した。2) そのアプリを使用して、災害時情報共有訓練シミュレーションの開発を行い国内外で試用し、課題の可視化を図った。更に、その中で特に脆弱性のケーススタディとして、高知に来る外国人に向けた避難所・病院などの施設や、日頃からの健康危機管理から大規模災害にも利用できる情報の送受信の在り方を検討した。 更に本研究の進捗状況と成果を広報するために、ホームページを開設した。 上記の成果によって、次年度以降の研究基盤を整備することが出来た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、平成26年度から開始である。当初は仮説を立てるための資料整理に多く時間を費やす計画であったが、国内外で災害が頻発しており、その都度の活動や課題がある。また、行政や対象機関での減災看護に関わる活動は、年内行事として行われるため、本研究の進捗に合わすことが出来ない。従って、本研究では当初の計画のサイクルでトライアンドエラーを繰り返しながら、モデル構築を行っている為、最終年度には当初の目標を達成出来る様、過程を見れば進んでいるようにも見えながらも、内容は飽和していないという状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
現在の仮説の中で、国外の災害直後の被災地域の情報の集約と発信を試み、国外で起きた災害に関して、被災前の地区診断、国連や支援団体が出す最新情報を、集約し、SNSやホームページなどで発信しながら概念を探索していく。 発災直後の地域情報をシナリオ化し、災対本部と避難所や保健所などの情報のやりとりを行う机上シミュレーション。防災訓練と同時に行うなどして洗練化している。既に国内外の市町村や病院で行っているが、実際の行政の導入に向けて実証実験を行う。 一方で、災害直後の状況を携帯端末などから送信して地図上で可視化する取り組みを行ったところ、看護情報はテキストレポートであることが多い為、Web上の情報からテキストマイニングできる機能を加えて分析を行う予定である。更に、妥当性を知るために行政と協働してリスクコミュニケーションに関するモニタリングのために、高知県世論調査等で明らかになっている住民の減災行動の向上のためのリスクコミュニケーションの現状課題を明らかにする予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
減災に関する社会の動向が国連世界防災会議に向けてのプロダクトなどの活動があり、予定以上に多様な情報を得ることが出来たり、27年度に予定していたシステム開発が簡易ながらできた。そのため、当初の計画より進んでいるものの、内容が飽和していないという状況となった。従って、当初の予定より、旅費と物品費がかからず、雑費がかかった。また年度に6月末まで産休育休をとっていたため、開始が若干遅れたこともあり、次年度使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
国連世界防災会議や、年度当初からネパールで大震災があったことを受けて、更なる情報収集に使用する必要がある。
|